スクラムマスタ兼コーチのJoe Mcgrath氏が,自身のブログの最新記事で,Lego Flow Gameを取り上げた。Lego Flow Gameは,Karl Scotland LtdのリーンアジャイルコンサルタントでディレクタであるKarl Scotland氏と,Sallyann Freudenberg Consulting Ltdのアジャイルコーチ兼ITコンサルタントのSallyann Freudenberg氏が開発したものだ。氏らはLego Flow Gameについて,次のように説明している。
Lego Flow Gameは楽しいエクササイズです。ゲームの目的はLegoでアドベントカレンダ(advent calendar)のアイテムを作ることです。ワークフローを定義する,次のアドベントカレンダを見つけ出す(分析,アナライズ),それにマッチするレゴの部品を探す(サプライ),レゴでアイテムを作る(ビルド),アイテムが適切かつ堅牢に作られているかチェックする(受け入れ,アクセプト),といった一連の作業を行います。フローの各ステージには専門家の役 – アナリスト,サプライヤ,ビルダ,アクセプタ – がいる他,全体を統括するマネージャ,何人かのマーケット代表者がいます。ゲームは3回,それぞれ異なったプロセス方式で実施します – バッチとフェーズによる実施,タイムボックス,フローベースの3つです。
Mcgrath氏は自身のチームでLego Flow Gameを活用している。3ラウンドのゲームを実行して,CFD(cumulative flow diagram, 累積フロー図)を使って結果を比較する,というのが氏の方法だ。
ラウンド1 – ウォーターフォール
これは単一の6分間のラウンドである。 チームには,期待されるターゲットのセットとして,予め定義された数のアイテムが与えられる。各ステージでは,この数のアイテム(例えばバッチ数に相当する)をすべて完了した上で,全部まとめて次のステージに渡さなくてはならない。例えばアナリストは,5つのドアすべてを見つけて処理した上で,完了した5つのインデックスカードすべてをサプライヤに渡す必要がある。ステージは独立していて,専門家のスキルも違うので,お互いに助け合うことはできない。基準を満たさない作業や却下された作業は,そのステージに残される – 適切な品質を持った適切な作業が,最初の1回ですべて実施されることが必要なのだ。
氏はチームのCFDを確認した。それを以下に示す。
ラウンド2 – タイムボックス化
この場合は,2分のタイムボックスが3セットある。それぞれのタイムボックスを新たに開始する前に,各チームは,そのタイムボックス内に完了できるアイテムの数を見積もっておく。そして最後に,見積に対する実績をレビューないしレトロスペクティブしなくてはならない。第2ラウンドのCFDは次のようなものになった。
ラウンド3 – フローベース
これも同じく,単一の6分間のラウンドである。実行可能なアイテム数の見積は必要ないが,その代わり,ステージ毎に許容されるWIPの制限が導入される。ここでの制限には,作業中のアイテム数と,作業が完了して次のステージへの準備が完了したアイテム数の両方が含まれている。このため,ステージが空である場合にのみ,前のステージからアイテムを取得可能であるという,基本的なプルシステムが構成されることになる。第3ラウンドのCFDは次のようになった。
氏はCFD(累積フローズ)によって,それぞれの結果を比較した。価値を速く提供するという意味でも,トータルで提供できる数においても,第3ラウンドが優れていた,と氏は述べている。