雇用者がプロジェクトマネジメントという職種にどのようなスキルが望ましいと考えているのか、そして、プロジェクトマネージャとして成功する資質とはなにか、についての調査がされた。Udemyによるこの調査の結果は、the power of project managementとして公開されている。
InfoQはプロジェクトマネージャであるAmanda Milligan氏にインタビューし、プロジェクトを管理するのに重要なスキルについて話を聞いた。また、ボスの好感度やリーダーシップのスキル、職場で惨めな思いをする理由と対処法、組織がアジャイルへ移行するためのプロジェクトマネージャの必要性について話を聞いた。
InfoQ: この調査を実施した理由を教えてください。
Milligan: プロジェクトマネージャの役割は非常に重要です。Udemyはより良い従業員、より良いマネージャを生み出すのを支援しており、プロジェクトマネージャという職種をより深く調査し、成功にはなにが必要なのかを調べ、それを共有することにしたのです。
InfoQ: 調査のデータとして求人情報を使ったのはなぜですか。ほかの情報は考えなかったのですか。
Milligan: 求人情報は雇用主がどのような役割の人を求めているのかについて素晴らしい情報をもたらしてくれます。また、このような期待を把握することで、応募者は応募しようとしている役割に対して準備することができます。また、最終的には別の情報も求めました。それは、プロジェクトマネージャと働いたことのある人を調査し、彼らの期待が私たちの見つけた求人に掲載されたいた情報を合致しているかどうかを調べたのです。私たちは複数の視点を提供するのがもっとも良いと判断しました。
InfoQ: 求人ではもっとも必要とされるスキルがコミュニケーションスキル(40%)で、対人関係スキル(12%)と組織的スキル(10%)を上回っています。プロジェクトマネジメントにとってなぜコミュニケーションが重要なのでしょうか。
Milligan: 一般的にいって、コミュニケーションスキルは高い価値があります。しかし、特にプロジェクトマネージャは効果的にコミュニケーションする必要があります。彼らはプロジェクト全体に渡って品質を維持する必要があるからです。プロセスの各ステップが個別に運営されており、プロジェクトのその他の部分から除外されているのなら、全体の結果にたいしては貢献できないでしょう。プロジェクトマネージャはプロジェクト全体がどのようになっているかを見る知性とチームの全員が目的を達成するための方法を理解していることを保証するためのコミュニケーション能力が必要です。
InfoQ: 75%が現在のボスに好感度を持っておりながら、現在のボスを優れたリーダーとみなしているのは28%しかいないということについて、あなたは"強いリーダーシップを発揮しなくてもボスは好感度を得られる"と結論付けています。この点について詳しく教えてください。
Milligan: この結果はとても面白いと思っています。なぜこのような結果になるのかわかりませんが、多くの人が、ボスは可能な限り、生産的であり、啓発的であり、助けてくれるとは考えずに好感を抱いているのではないでしょうか。例えば、ボスがある程度の余裕を与えてくれ、ガイダンスは与えてくれないなら、この自由と無責任さを好むかもしれませんが、これでは、効果的なリーダーは必ずしも生まれません。
InfoQ: 今回の調査では、47%が仕事を惨めなものにするボスの下で働いたことがあると答えています。これはソフトウェア産業にどのようなインパクトを与えるでしょうか。
Milligan: 仕事で惨めな気持ちになるということは、仕事がしにくく尊敬もされていないということです。そして、能力以下の品質の仕事しかできなくなります。低いモラルは個人にとっても会社にとっても問題です。自分の潜在的な力が発揮できていないと感じ、企業も従業員が満足して働き、真価を発揮した状態の成果を享受できません。ソフトウェア産業はこの影響を逃れられません。リーダーシップが促進されプロフェッショナルになるのが重要なのはこのためです。従業員が尊敬され、それに従って、生産性が上がる必要があるのです。
InfoQ: 多くのIT企業がソフトウェア開発のマネジメントにアジャイルを採用し始めています。組織がアジャイルを導入してもプロジェクトマネージャは必要でしょうか。
Milligan: 私はアジャイルについてはあまり知りませんが、私の知っていることから言えば、必要だと思います。アジャイルは効率さを加えるかもしれませんが、従来通りのプロセスではなくても、全体に関わり、それぞれのコンポーネントに責任を持つ人物がいれば、プロジェクトがその人物から得られる価値はあるはずです。