re:InventカンファレンスでAmazon Web Servicesが,EC2サービスのインスタンスを新たに2つ発表した。2TBのメモリをサポートするX1と,より低いコンピュータ要件のためのT2.Nanoである。
チーフエバンジェリストのJeff Barr氏によると,X1インスタンスでは,現在のEC2よりも“はるかに大容量の”メモリ要件に対応可能な,最大2TBのメモリが提供されるという。企業ユーザをターゲットとするX1は,SAP HANAやMicrosoft SQL Server, Apache Sparkなどの巨大なインメモリデータベース,リアルタイム分析の生成,巨大なキャッシュを生成するアプリケーションなどの実行用に設計されたものだ。Barr氏によると,X1インスタンスでは,高メモリ帯域と大容量L3キャッシュをサポートするIntel Xeon E7プロセッサが4つ使用される予定だ。
もう一方のT2.Nanoインスタンスでは,ホストダイナミックなWebサイトやマイクロサービス,監視システムの実行などを目的とする,プロセッシングパワーのピークが短いユーザを対象としている。T2ファミリのインスタンスは使用しなかったCPUクレジットを蓄積しておいて,後に必要となった時に使用することが可能だ。T2ファミリで最小のパフォーマンスを提供するT2.Nanoのインスタンスではn,1 vCPUとメモリ512MB相当を1時間,フルクレジットで使用することができる。Barr氏によると,T2インスタンスは非常に好評で,通常はある程度定常的で,不定期にサージの発生するような通信量を持つWebサイトを,フルコアのパフォーマンスで運営するAWSユーザに利用されているという。
X1インスタンスは2016年の前半から,T2.Nanoインスタンスは今年中に供用開始される予定である。価格の詳細はまだ明らかにされていない。