MeteorがAngular Meteorのアップデートバージョンをリリースした。これによって同ライブラリでは,Meteor上でAngularJSが使用できるようになる。
angular-meteorライブラリの作者であるUri Goldshtein氏は,Meteorブログの記事“Angular Meteor 1.2.0 Released”で,同ライブラリのバージョン1.2を発表した。“[Angular-Meteorは,]Meteor 1.2で導入された新しいビルドプロセスを活用することで,Angular開発者により快適で生産性の高い開発環境を提供します。” Goldshtein氏はこう述べて,さらに新しいキャッシュコンパイラによるビルドプロセス速度の向上も付け加えている。
1.2のおもな変更点の中には,.ng.html
や.ng.js
に代えて,通常のHTML
やJS
ファイルの処理にAngularが使用されるようになったことが含まれている。これまでのユーザには,すべての.ng.html
ファイルの名称を.html
に変更した上で,クライアントのロード時間を短縮するために,blaze-html-templates
パッケージを削除するようにアドバイスしている。
注目に値する改良点としては,JS
ファイルがBabelで処理されることにより,初期状態でECMAScript 2015サポートとng-annotable
が有効であること,pbastowski:angular2-now
パッケージの利用を簡単にするために,Babelのdecorator
構文が追加されたこと,などがある。これによって開発者は,Angular 2.0の構文をAngular 1.xで記述するという,推奨されているベストプラクティスの採用が可能になった。
次期1.3メジャーリリースではAPIが変更される予定だ,とGoldshtein氏は言う。その中には,現在のAPIデータを“可能な限り”維持しながら,MeteorネイティブAPIのサポートや,autobind
機能の削除によるパフォーマンス向上などが含まれている。なお,autobind
なしで$meteor
サービスを使うことは,現在でも既に可能だ(パラメータとしてfalse
を送ればよい)。
同プロジェクトのライブテンプレートエンジンであるBlazeと並行して,今回の1.2リリースからは,AngularJSがサポートされるようになった。angular
パッケージをMeteorスタックに統合する形で実装されている。また,すべてのJavaScriptファイルに対して,EMCAScript 2015がデフォルトで使用されるようになった。
Angular-Meteor Manifestoには,“ひとつのアプリケーションだけでなく,ひとつのページやテンプレート,あるいはディレクティブ内でも,BlazeとAngularJSの両方を使用することが可能”だとされている。開発者は旧ビルドプロセスを使い続けることも,あるいは‘angular’に代えてangular-with-blaze
パッケージを使うことで,BlazeとAngularのテンプレートを組み合わせることもできる。これまでと同じmg.html
とng.js
ファイルテンプレートを使うことも可能だ。
Angular Meteorプロジェクトでは,特にチュートリアルやロードマップの領域で協力してくれるコントリビュータを積極的に募集中である。