Oana Juncu氏はAgile Practitioners 2016カンファレンスにて、学習する組織を作るために有用なストーリーテリングについてのワークショップを開催した。InfoQは氏にインタビューしてストーリーテリングとは何か、ストーリーのもたらす価値、ストーリーテリングに使える話し方、アジャイルへの移行にストーリーテリングを使った彼女自身の経験について話を聞いた。
InfoQ: ストーリーテリングとは何で、どのように作用するのか、簡単に説明してください。
Juncu: ストーリーテリングは物語る技法です。あるトピックを説明するためにはどのストーリーが最適でしょうか。あるトピックを共有するために最適なストーリーは何でしょう。ストーリーは私たちの脳に反応し、グラフやスライドよりも私たちの脳に定着します。シンプルに作用するのです。そして、すべてのシンプルなものと同様、優れたストーリーを作るのは難しいのです。
InfoQ: ストーリーテリングが重要なのはなぜでしょうか。コーチングにはどのような価値をもたらしますか。
Juncu: アインシュタインは"簡単に説明できないことは、自分でもわかっていないことだ"と言っています。私は少しひねって、"子供に説明できないことは、自分でも理解できていないのだ"と言っています。
脳は物語に反応します。人間である私たちは自分自身を物語の中に反映させ、ヒーローにしようとします。こうすることで得られるかもしれない経験の匂いを嗅ぐのです。良い物語なら、最終的には啓発され、経験は現実になるでしょう。
優れた変革者は大変啓発的な物語を語る優れたストーリーテラーです。アジャイルコーチ、プロダクトオーナーなどの役割を担っているなら、自分がその一部になりたいと思っている変化について物語ってみましょう。
物語がコーチングに特に価値をもたらす、と言いたいのではありません。物語が優れた力を持っているから価値があるのです。
InfoQ ストーリーテリングに使う物語る方法について何か例はありますか。
Juncu: ストーリーテリング自体はシンプルです。優れた物語の基礎は次のような質問に対する優れた回答です。何についての物語か。誰の物語か。ヒーローの冒険は何か。ヒーローの今の状態はどうか。
そして、これらの問いへの回答を使って語り方を組み立てます。これだけです。これで優れた物語を語れるでしょう。
InfoQ: アジャイルコーチングでストーリーテリングを行ったあなたの経験を教えてください。
Juncu: 私は自分のトレーニングでは必ずストーリーテリングを使います。
また、アジャイルプロダクトマネジメントのコーチングでもストーリーテリングを使います。プロダクトはユーザーがヒーローになるストーリーだと考えているからです。この方法は私がアジャイルな組織に"なる方法"として育ててきたユーザエクエスペリエンスとユーザー中心手法とも合致します。
そして、私は一緒に働いているチームも彼らのストーリーを作り、語ることでサポートしています。持続する変化とは多くの人によって担われるからです。
InfoQ: ストーリーテリングについてもっと知りたいと思っている読者のために、アドバイスをお願いします。
Juncu: ストーリーテリングについての書籍の中では、Lisa Cron氏の"Wired For Story"とChip Heap氏、Dan Heap氏の"Make To Stick"が私のお気に入りです。
また、私自身もさまざまな記事を書いてます。
私のサイトcoemergeleanovation.comにも多くの情報があります。"Agile Business DJ"として、私がどのようにストーリーテリングを使っているか、説明しています。