先日のメールで,OracleのJava Platform Groupでチーフアーキテクトを務めるMark Reinhold氏が,Project Jigsawの完成に要する追加期間を認めるために,Java 9の一般提供に6ヶ月の遅れが発生することを示唆した。これが審議を経て承認され,Java 9の一般提供は2017年3月と決定した。
Mark Reinhold氏は以前,機能とスケジュールとの葛藤に関して,機能提供の延期という犠牲を払ったとしても,決定されたスケジュールを維持する方向を重視したいと語ったことがある。一方で氏は,新バージョンのフラッグシップ機能に関しては例外としたい,とも主張していた。Java 9の場合,フラッグシップ機能となるのはProject Jigsawである。その機能が当初のスケジュールに間に合わないという事実と同時に,最近の数ヶ月である程度の進展が見られていることを考慮して,コミュニティはこの遅延を容認したのだ。
今回の決定は,Java 8の時に迫られた決定とも,方向性として一致している。現行バージョンのフラッグシップ機能であるProject Lambdaが,当初のスケジュールに間に合わないと判明した時,同じように遅延が提案され,受け入れられた。その一方でProject Jigsawは,Java 8からJava 9に延期されている。同じように,もしProject Valhallaに時間的余裕を設ける必要が生じたとすれば,Java 10の一般提供は延期されることになるだろう。