Parse SDKの対象としてAppleのtvOSとwatchOS 2が追加され,Apple TVとApple Watchを対象としたネイティブな没入型アプリの開発が可能になる,とFacebookの技術者であるNikita Lutsenko氏が書いている。さらにこの新SDKは,Facebookが先日発表したtvOS SDKと統合して,オンボーディングを容易にする機能も備える。
Parse SDK for watchOS 2は,Facebookがこれまでに開発した,Apple Watchの最初のバージョンに対するサポート開発をベースとしている。新たなSDKの主な改善点は,Apple Watch上でのネイティブな実行が可能になったことだ。これまでは,Apple Watchのオリジナルのアーキテクチャが理由となって,このような設計選択を行なうことはできなかった。これによる最大のメリットは,Lutsenko氏が強調するように,iPhoneを必要とせずに動作するWatchアプリが可能になることだ。
その一方でSDK for tvOSでの開発には,新たな課題もいくつか存在する。代表的なのが,tvOSに永続的ストレージが不足していることだ。従って,ディスク上のファイルはすべて一時的ストレージとして扱わなくてはならず,アプリの起動間でユーザセッションを永続化することはできないことになる。事実,Appleが保証しているのは,“アプリ実行中はデータが保存されていますが,アプリが終了すると,システムによって削除される場合があります。”というものだ。ソースを確認すると,Parseでは,Appleがプライベートデータの保存用に提供している別のメカニズムが使用されているようだ。これはユーザがアクセスするための機能ではなく,バックアップもされない。
前述のようにParse SDK for tvOSでは,先日発表されたFacebookのtvOS SDKを利用することで,ユーザのオンボーディングプロセスを簡略化している。この機能は物理的なキーボードがなく,タッチスクリーンがサポートされないApple TVにおいて,テキスト入力が煩雑になることの回避を目的としたものだFacebookのtvOS SDKでは,2要素認証のスキームを実装している。検証が必要になると,tvOSが短い英数字コードを表示する。ユーザはそれをラップトップやタブレット,携帯電話などを通じて特定のWebページに入力する必要がある。