Microsoftはクロスプラットフォーム開発の専業企業であるXamarinを買収すると発表した。Xamarinのほとんどの技術がMicrosoftに統合されるだろう。
予想されていたことが起こった。MicrosoftがXamarinの買収を決定した。10年前に起こっていたら、Microsoftがオープンソースのクロスプラットフォームの.NETを殺して、Windows関連の手綱を強めようとしていると思われただろう。しかし、今の、モバイルの世界での同社のポジションや、Satya Nadella氏のリーダーシップの元では違う。Microsoftは長い時間をかけてオープンソースの世界を受け入れ、ここ数年は業界の大きなプレイヤーたちと標準化と公開について協力している。Xamarinの買収はこの流れにそうものだ。
Microsoftでクラウドとエンタープライズの部門のエクゼクティブバイスプレジデントを務めるScott Guthrie氏は同社のXamarinについての計画を示している。同社は.NETの開発者にたいしてWindows以外の主要なモバイルプラットフォームにリーチする機会を与えたいと考えている。“開発者に優れたツールとオープンなプラットフォーム、グローバルなクラウドを使って、すべてのデバイスにおいての最高の経験を与えたい”と考えているのだ。
Xamarinは何を提供するのか。まず、iOS、Android、Windows、Mac向けにクロスプラットフォームの.NETソリューションを提供する。開発者はC#ですべてのプラットフォームでコードがかける。Universal Windows Platformというビジョンを他のプラットフォームにも拡大していくということだ。これによってMicrosoftのクラウド業界の主要なプレイヤーとしての戦略が強化される。ほとんどのモバイルアプリケーションはクラウド上でのバックエンドを必要とするが、C#向けに最適化されVisual Studioと統合されたAzure上の環境は待ち望まれているものだ。
ふたつ目は、Xamarin Studioだ。ある程度の期間は、メンテナンスされるかもしれないが、主要な技術はVisual Studioに統合されるだろう。Xamarin.Formsも同様だ。Xamarin Test CloudもMicrosoft Azureに統合され、Xamarin InsightsもVisual Studio Application Insightsに統合されるだろう。Xamarin Universityはどうなるかわからない。ドキュメントはほとんどがMSDNに含まれるのではないか。
Xamarinには15000以上の顧客がおり、130万人以上の開発者おり、“年間数千万ドルの利益”をあげている、同社のCEOであり、共同創業者であるNat Friedman氏はいう。
開発者にとってこの買収は何を意味するのか。Xamarin導入の課題はコストだ。.NETの開発者はすでにVisual Studioに投資している。Xamarin Studioを使うとなるとさらなるコスト増になる。今後は、Visual Studioだけで済むようになるだろう。Microsoftがより高いライセンス料でVisual Studioの特別なエディションを提供するかどうかは現時点ではわからない。コミュニティエディションにXamarinのすべての技術が織り込まれるのか、今と同じようにスタータエディションだけなのかも注目したい点だ。
Rate this Article
- Editor Review
- Chief Editor Action