IBMがWatson Cognitive APIを拡張した。これにはEmotion AnalysisおよびTone Analysisのベータ更新が含まれている。
AlchemyLanguage APIスイートにEmotion Analysisが追加された。このAPIスイートは、約1年前のIBMによるAlchemyAPIの買収により、Watsonサービスに加えられたものだ。Emotion Analysis APIは現在のところ、テキストコンテンツを処理して、joy(喜び)、fear(恐れ)、sadness(悲しみ)、disgust(不快)、anger(怒り)という5つの感情にランク付けできる。
発表に関するブログでは、例として「the day I was told that I had been accepted as a student of economics.」というテキストを解析している。出力は以下のようになった。
- anger: 0.045
- disgust: 0.023
- joy: 0.93
- fear: 0.035
- sadness: 0.07
この値から、開発者はテキスト全体から伝わる感情を推測することができる。
APIは、HTTP経由でエンドポイントに直接送るか、Webの公開コンテンツのURLを渡すことで、テキストおよびHTMLコンテンツを処理する。出力はXMLおよびJSON形式で得ることができる。料金はリクエスト数により、IBM Bluemix Organizationにつき1,000 APIイベントまで無料、250,000イベントまでイベント当たり$0.007ドルからとなっている。
IBM Watson Tone Analyzerも似ているが、Language toneとSocial toneが加わっている。
Language toneは3つのカテゴリに分けられている: analytical(分析的である)、confident(自信がある)、tentative(ためらいがある)。上記テキストの場合、analyticalのスコアは0.39で、confidenceとtentativenessのスコアは0だった。
Social toneは5つに分けられている: openness(開放性)、conscientiousness(統制性)、extraversion(外向性)、agreeableness(協調性)、emotional range (もしくはneuroticism)(神経症傾向)。これは"Big Five" personality traits(特性5因子)として知られているものだ。サンプルテキストを分析すると、次の5つの指標が得られる。
- openness: 0.134
- conscientiousness: 0.409
- extraversion: 0.474
- agreeableness: 0.736
- emotional range: 0.784
APIは同様のHTTP APIが使われており、単一のレスポンスを持つシンプルなGET
およびPOST
リクエストになっている。ドキュメントにはcurl、Node、Java、Pythonのサンプルが含まれている。ベータ期間中、Tone AnalyzerはIBM Bluemixにおいてフリーで利用できる。以下に、上記サンプルテキストを使ったNodeのサンプルコードを示す。
var watson = require('watson-developer-cloud');
var tone_analyzer = watson.tone_analyzer({
username: '{username}',
password: '{password}',
version: 'v3-beta',
version_date: '2016-02-11'
});
tone_analyzer.tone({ text: 'the day I was told that I had been accepted as a student of economics.' },
function(err, tone) {
if (err)
console.log(err);
else
console.log(JSON.stringify(tone, null, 2));
});
IBMはApplication Starter Kitを提供して、AlchemyLanguage、Tone Analyzer、AlchemyData News APIを使えるようにしている。APIは今のところ英文のみをサポートする。
このサンプルアプリケーションは、ウェブおよびソーシャルメディアと自然言語処理を用いることで、重要な話題とその感じ方を理解する方法を実演します。
実践によるAPI活用に関心のある開発者は、オンラインのWatson Developer Challenge(4月15日まで開催)と5月21/22日にニューヨークのPier 36で開催されるWorld of Watson Hackathonへの参加を検討すべきだ。
Rate this Article
- Editor Review
- Chief Editor Action