(更新: 元記事の後に公開された新しい情報を下に追記)
Windows 10のAnniversary UpdateによってWindows 10システム上でLinuxのバイナリーをシームレスに実行することができるようになると、Microsoftは本日のBuildで発表した。 専門家たちと開発者たちは何年もの間、Linuxが一般的なPCユーザーのデスクトップ環境で主流の人気を獲得するのはいつで、それはどうやれば達成できるのかについて、同じように想像を膨らましてきた。 だが本日のニュースによれば、Microsoft自身がその立役者になったように思われる。
MicrosoftはCanonicalをパートナー契約を交わし、有名なBashシェルやEmacsなどのバイナリ―を変更することなく利用できるようにする努力を始めている。 Build 2016での本日のキーノートの中で、MicrosoftのKevin GalloはWindows上で標準のBashプロンプトを開き、その上でGNU Emacsを実行できることをデモンストレーションした。 Galloは、これは真のLinux互換であり、移植や仮想マシンによるものではないと述べた。
MicrosoftのScott Hanselmanは、補足の速報を投稿し、一部を詳しく説明した。 UbuntuはDebian Linuxディストリビューションの派生物であるため、おなじみのパッケージインストーラーであるapt-getが利用できる。 Linuxデスクトップと同じように、Windowsユーザーがapt-getから新しいパッケージをインストールできるようになる。 Linuxバイナリ―をホストするために必要なWindows 10環境の詳細仕様はまだ明らかにされていないが、スクリーンショットから判断すれば、少なくとも64ビットLinuxバイナリ―はサポートされているようである。 32ビットLinuxバイナリ―がサポートされるかどうかは未確認だが、Hanselmanによれば、64ビットWindowsが必要となる模様である。
この機能を自分で試すには、今夏に予定されているWindows 10 Anniversary Updateを待つこと。
更新: MicrosoftのRich TurnerとRuss Alexanderが、"Running Bash on Ubuntu on Windows!"と題されたChannel 9のプレゼンテーションで更なる詳細を明らかにした。 当プロジェクトはUser Voiceに投稿された複数の要望に端を発している。 目的は2つあり、より良いコンソール環境と、WindowsにUNIX/Linuxツールをもたらすことだった。 その結果、Microsoftは新しいサブシステムをWindowsカーネル内に構築し、Linuxツール群をサポートするために不可欠なシステムコールを公開することになった。
この新しいシステムはWindows Subsystem for Linuxと呼ばれるもので、"ユーザーモードLinux"を提供するCanonicalとMicrosoftとの共同努力によって生み出された。 新システムは「Linux互換のsyscall層を公開する」。
これは仮想マシンでもエミュレーションでもないということと、デモではUbuntu 14.04.4 LTSを使用しているということの2点が明らかにされた。 動画を直接観てもわかるが、この動画では様々なプログラムをネイティブに動作させている。GNUコンパイラー、viテキストエディター、さらにはローカルのファイルシステムをLinixへマウントするなど。 まだサポートされていない項目もあるため、MySQLのようなプログラムはまだ動作していないが、開発チームは利用者の体験を改善すべく作業中である。