JIRAやConfluenceなど開発ツールを手掛けるAtlassianが,継続的デリバリツールBambooのバージョン5.11をリリースした。チームのスケールアップやコラボレーションに有用な新機能を多数備えている。今回のリリースで注目されるのは,エラスティックビルドエージェントの最大数が100から250に拡張されたことだ。
ビルドエージェント数が拡大されたことで,より多くの同時ビルドの実行や,ビルドエージェントの待ち時間の削減(あるいは排除)が可能になった。クリティカルな修正のデプロイでビルドエージェントを待機している場合や,あるいは,多数のノードにグループ化された時間の掛かるテストが百件単位で存在して,エージェントがどの程度の時間ビジー状態になるのか予想できないような環境においては,この機能が有用になる。
この新たなスケーリング機能について,同社プロダクトマーケティングマネージャのSepideh Setayeshfar氏は,InfoQに次のように語っている。
当社の大口ユーザの多くから,既存の100ライセンスでは不足するため,複数のサーバを用意し始めていると聞いています。さらに,近い将来には,より多くのBambooエージェントをインストール必要があるとも言っています。当社では何年も前から,この制限を克服して,ユーザが単一サーバでビルド環境を容易に管理できるように,Bambooをスケールアップする努力を続けてきました。市場の他製品と比較した場合,当社は250という極めて多数のエージェントを公式にサポートして,この1年間,Atlassian社内と一部の早期導入ユーザによる広範なテストを続けてきました。
これほど多いビルドエージェントには,技術的な課題もない訳ではない。Atlassianではユーザに対して,250エージェント実行時のパフォーマンス向上のために,トンネリングを無効にしてVPCを使用するように推奨している。この新機能を提供するに当たっては,Atlassian自身にも数多くの技術的課題があった。
1日当たり数万件というビルドを管理しながら,エンドユーザに良好なサーバパフォーマンスを約束することが,当社の大きな目標でした。各ビルドエージェントはサーバと通信して,ギガバイト単位のデータを交換する場合もあります。最悪ケースのシナリオに対処し,高負荷状態でもサーバの信頼性とパフォーマンスを確保することが,最も大きく,かつ興味深い課題だったのです。
今回のリリースに含まれる他の新機能としては,アプリケーションリンクのバージョンアップによるAtlassianツールスイートとの統合性の向上,インテグレーションの再構築と再実行を行なう新しい診断ツールの組込み,などがある。また,REST APIを使用した外部システムからプロジェクトのデプロイ起動が可能になり,リポジトリの新規作成を行なう新たな管理権限が追加されている。さらに,今回のリリースから,Oracle 12とMicrosoft SQL Server 2014がサポートされるようになった。
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