サンフランシスコの Moscone Center にて、今日も Microsoft の開発者向け年次カンファレンスである Build が続けられた。Microsoft が発表した Cloud へのプラン、Xamarin 買収のなりゆき、Office 365 について、InfoQ のカバー範囲を読み解いていく（これはキーノート中にライブで記載しているため、スペルミスやタイピングミスがあったら許してほしい）。
Executive Vice President である Scott Guthrie 氏が壇上にあがり「インテリジェンスクラウドプラットフォームの構築」についての展望を紹介した。Microsoft Azure では、AWS と Google Cloud を合わせたものより多い 30 個の Azure リージョンが世界中に広がっており、Microsoft の Choice + Flexibility のためにユーザは Azure を選んでいる。オペレーティングシステムと開発環境は選択可能であり、Azure Stack を利用することで利用者自身のデータセンタにデプロイすることも可能だ。原本となる2つの動機は Enterprise Ready と Productivity の提供だ。
C# を用いたネイティブモバイルアプリ開発では Miguel De Icaza 氏が登壇し、iOS 9.2 を対象にして Visual Studio で C# アプリを構築するデモを実施した。Windows 上で実行する iOS エミュレータでは、マルチタッチイベントをサポートし、ホストコンピュータ（ Surface Pro を利用していた）からの入力が可能だ。次のデモはインタラクティブプログラミングのチュートリアル（ Xamarin Inspector ）であり、チュートリアルのコード修正が Android エミュレータ上に即時反映される様子を示した。
Guthrie 氏は Visual Studio 向けの Xamarin の発表に戻り、Xamarin が Visual Studio の主要なエディション全て（ Community, Proffessional, Enterprise ）で無料で提供されることを述べた。Xamarin ランタイムはオープンソース化される予定であり、.NET がオープンソースプラットフォームであることを増強するものだ。
Donovan Brown 氏が壇上に立ち、Mobile DevOps のデモを実施した。Xamarin Test Recorder は Android エミュレータ上における全アクションのログを取得する。これは C# によって記述されたテストにより記録され、統合処理として連続して実行後に再生可能だ。更に、テストコードの結果は容易にカスタマイズが可能だ。Xamarin Test Cloud でテスト結果は実行可能であり、選択したデバイス上でテスト実行した動画を閲覧できる。
Guthrie 氏が壇上に戻り、Microsoft の Internet of Things における展望について語った。デジタルサービスについて、BMW の Thom Brenner 氏もGuthrie 氏の会話に参加した。BMW の車に対するビジョンを示した動画再生では、運転状況や道の状況について動的に返答をする機能を紹介し、運転中に同機能でディスプレイでのコミュニケーション（ビデオチャットや E メール）が可能なことを示した。
Guthrie 氏は Azure Function の Preview を発表した。本機能にて、サーバレスアーキテクチャ、Azure や外部サービスでのイベントトリガ、実行単位でのみ課金、C#, Node.js 等のオープンソースランタイムでの実行環境を提供している。Cameron Skinner 氏は IoT Azure のデモを紹介した。インターネットに接続されたデバイスがリアルタイムの温度データを Azure 上にアップロードし、結果をライブで表示していた。
Age of Ascent は Azure の Service Fabric を利用している。短い動画紹介の後、Scott Hanselman 氏が登壇して Web ブラウザゲームをデモンストレーションし、ゲームで利用されている Azure インフラストラクチャを探訪した。AOA は ASP.NET Core を用いて C# で記載されており、多数のユーザが同時にプレイできるように Azure バックエンドを利用している。ゲームのソースコードを編集すると、ゲームが実行中にも拘わらず即座にデプロイが反映された。アップグレードは徐々に廃止され、マシンの 20% に対するアップグレードは同時に行われる。ゲームはモニタリングされており、Hanselman 氏の変更を自動で検出し、すべてのゲームサーバにリリースする前に正常な状態まで自動でロールバックした。
Lara Rubbelke 氏は Power BI Embedded について登壇した。Power BI Embedded を用いることで、分割されたアプリケーションを利用することなく Azure 内に含まれるデータを利用したレポート機能が活用できる。4月1日までは無料で利用可能であり、自身のアプリケーションやデータを試すことが可能だ。
Qi Lu 氏が登壇し、Reinvent Productivity、Developer Opportunity について議論をし、デモも実施した。Office 製品をクラウドへシフトしてサービス化するための計画について紹介した。Lu 氏によれば、データは新しいオイルであり、インテリジェンスは新しいエネルギーの形だと述べている。
Microsoft Graph は単一エンドポイントの API だ。これにより、開発者は Office サービスと連携したインテリジェンスなアプリケーションを構築することが可能になる。いくつかの機能をいかに挙げる。
- Microsoft API と SDK の統一
- Azure でのシングルサインオン
- リアルタイムデータアクセス
- 解析信号によるインテリジェンス
Yina Arenas 氏が現れ Microsoft Graph を用いた Office Extensibility のデモを実施した。Outlook に格納された情報を利用して、プラグラム的に各ユーザの情報にアクセス可能だ。最新の Office 開発ツールは Visual Studio で利用可能だ。
スターバックスの Chief Technology Officer である Gerri Martin-Flickinger 氏はスターバックスの技術的な取り組みについて紹介した。新しい Outlook プラグイン（ Starbucks for Outlook ）のデモを実施し、ユーザに対して E メールでスターバックスの購入やギフトカードの送付が可能なことを示した。スターバックス各拠点の協力により、別の機能では E メールの招待により人々がスターバックスで落ち合うことが容易になった。
Qi Lu 氏が戻り、Office 365 Group Connector と Skype for Business Web & Mobile SDK の GA（General Availability）について述べた。Office 365 は医療産業に対して有益性が増している HIPAA 対応だ。
John Shewchuk 氏と Steve Guggenheimer 氏は新しい Microsoft 技術で構築された新製品のデモをするために登壇した。プログラム可能なボタンを伴う Muzik の新しいヘッドフォンであり、最も目立った Office プラグインだ。PowerPoint プラグインとしてデモされた製品では、ユーザがプレゼンテーションについてアクセスされた回数とプレゼンされた回数をトラッキング可能としている。
拡張現実のデモでは、カメラや Surface Pro タブレットを通した視界に Unity が 3D オブジェクトをどのようにレンダリングするかを示した。モデルがその場にないが、物理的に存在しているかのように表れ、2D 表示ではできない方法で物体を閲覧することが可能になる。