WWDC 2016でAppleが紹介したiOSの新しいMessagesフレームワークは、AppleのMessagesアプリとやりとりするApp Extensionsの作成を可能にすることを狙っている。新しいMessages APIは、2種類のExtensionを可能にする。
- Stickerパック、ユーザーがメッセージに入れられる画像のコレクションを提供する。
- iMessageアプリ、Messages内から外部アプリへのアクセスを提供する。
Stickerアプリはコーディングを必要とせず、Xcodeが生成するプロジェクトテンプレートに画像ファイルをコピーするだけで作成できる。これに対して、iMessageアプリは以下に説明するようなMessagesフレームワークを完全に利用することができる。Appleによると、iMessageアプリはMessagesから直接、コンテンツの共有、ペイメントの送信、ゲームのプレイ、コラボレーションなどが行えるという。
Messagesフレームワークには、開発者が使える多数の基本クラスが含まれている。
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MSMessageAppViewController
: Messages Extensionのためのメインビューコントローラーを提供する。カスタムのユーザーインターフェイスの提供、Extensionの状態管理、現在の会話の取得、送信するメッセージの記録などを可能にする。 -
MSStickerBrowserViewController
、MSStickerBrowserView
、MSStickerBrowserViewDataSource
: これらのクラスはStickerブラウザをカスタマイズおよび動的に表示するためにある。もしStickerブラウザに動的コンテンツを提供したければ、カスタムのMSStickerBrowserViewDataSource
を実装すればよい。もしデフォルトのStickerブラウザの見栄えをカスタマイズしたければ、独自のMSStickerBrowserView
を提供して、ブラウザのサイズ、Stickerのサイズなどをカスタマイズすればよい。MSStickerView
のサブクラスを使うと、さらにカスタマイズできる。 -
MSConversation
: 会話を表現する。メッセージの入力フィールドに、テキスト、Sticker、アタッチメント、メッセージオブジェクトを挿入して送信することができる。 -
MSMessage
: インタラクティブなメッセージの作成ならびに、送り主、メッセージが属するセッション、関連するオプションURLなどメッセージプロパティのアクセスを可能にする。 -
MSSession
: メッセージの識別を可能にする。これにより、たとえば、ゲームやコラボレーションアプリなどで、後でメッセージを更新できるようにする。
MessagesフレームワークはXcode 8 betaで使うことができる。登録済みの開発者は自由にダウンロードできる。
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