今日は5月2日。我々は最初のMob Programmingカンファレンスのためにボストンにいる。見知らぬ人々がここに集い,一緒に働くことについて記事を書いている。我々は偶然によって,グループとして記事を書いている。ソフトウェア開発以外で利用する方法について,2日間議論し,検討したテクニックを実践しているのだ。
ツールは役に立たない。使っているキーボードのレイアウトがみな違う。ひとりはフランス語キーボード,もうひとりはフィンランド語,2人はDvorakで,米国標準のQWERTYを使用しているのはグループ内でひとりだけだ。我々はこの状況を受け入れようとしている。
キーボードの前には,そのキーボードを使い慣れたメンバがドライバとして着席する。ドライバは何も考えない。グループの他のメンバが,記事に何を書くかをナビゲートする。ナビゲータのグループは記事に載せるアイデアを出して,次に何を書くかを議論する。
モブプログラミングを初めて体験した時,初めてハンドルを握ったドライバのような感覚だった。目の前にある道をコントロールする方法に慣れていないのだ。前に進むことに慣れるまでには,少し時間がかかるかも知れない。しかしあなたにはチームというセーフティネットがある。彼らはそれぞれ,これから行なうことに対してユニークな視点を提供してくれるのだ。
この記事を書きながら,我々は実際にモブを体験している。 最初の決定ポイントは,公開可能な記事を所定の時間内に仕上げる上で,全体のアウトラインを書き上げるべきか,あるいは“章単位”で書くべきかを決めることだ。我々はひとつの章を公開することにした。バックログを保持しても,すでに完成した章の肉付けにはあまり役に立たないと思ったからだ。
執筆活動中に気が付いたのは,共同で記事を書いているこの経験を説明するメタファを選択する上で,興味深いダイナミクスの存在することだ。例えば,2つのメタファから始まったものが“リファクタリング”,あるいは編集のフェーズで捨てられたことがあった。(第2言語として英語を話す参加者が,英語のネイティブスピーカのスペルを訂正するような場面もあった。)
我々は,そのテスト(タスクの定義)をページの先頭に置くことで,執筆中のガイドとして利用できるというメリットが存在することに気が付いた。書き続けているとすぐにページ外に行ってしまうという問題はあるにせよ,議論を続ける価値はあった。チームのルールを詳細に議論するのは多少手間取ったが,それでも数分後には,前に進むためのフレームワークを固めることができた。
このカンファレンスでは,さまざまなスタイルが数多く発表された。モブに唯一の“正しい”方法は存在しない。我々は今回の共同作業を多いに楽しんだ。これからレトロスペクティブを実施して,次回はさらによい活動とするためにどうすればよいかを考えようと思う。モブプログラミングの提案者であるWoody Zuill氏が昨日指摘したように,“実施すべきプラクティスがひとつあるとすれば,それはレトロスペクティブ”なのだ。よい結果をさらに磨くために!
協力者:
- Stéphane Wojewoda
- Maaret Pyhäjärvi
- Don Denoncourt
- M. Scott Ford
- Andrea Goulet
- Jeremy Cash
- Andrea Chiou
- John Keklak
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