6月27日、Amazonはアジアパシフィックで6番目のAWSリージョンを発表した。このリージョンはインドのムンバイにあり、北京、ソウル、シンガポール、シドニー、東京にあるアジアパシフィックのリージョンに加わることになる。ムンバイの追加によって、Amazonは地理的に世界13のリージョン、35のアベイラビリティゾーンになる。
ローンチ時点で、ムンバイリージョンは、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) など様々なAWSサービスをホストする。利用可能なサービスの当初のリストにないのは、Amazon IoT、Amazon EC2 Container Service (ECS)、Amazon Kinesis Firehoseなどだ。提供されるサービスのリストは、このページのアジアパシフィックのところにある。
Amazonはインドに75 000のアクティブ顧客を抱えており、その中にはOla CabsやNDTVが含まれる。彼らはムンバイリージョンのアーリープレビューに参加してきた。
Ola Cabsはインドで、顧客が配車を手配できるモバイルアプリを提供している。Ola CabsのCTOで共同創業者のAnkit Bhati氏は、AWSが彼らのモバイルサービスの成功にどれだけ寄与してきたか語っている。
テクノロジーが成功の鍵です。私たちはAWSを使って最高の顧客体験を生み出し、顧客のために新しい機能やサービスを素早く創造しています。これはインドで100を超える都市と550,000名のパートナードライバーを達成するのに役立っています。私たちは様々なAWSビッグデータサービスとディープラーニング技術を使って、ペタバイト規模の解析を行っています。これによって、顧客が必要なときに、顧客の近くにパートナードライバーを向かわせることができるのです。
またAWSのおかげで、Ola Cabsはマイクロサービスプラットフォームの開発速度を高めることができている。彼らはAWSを使って、1日何百万ものリクエストを処理する何百もの低遅延APIに、1日30回以上の変更をデプロイしている。
NDTVは1988年に設立されたメディア企業で、世界中の顧客にTV、ビデオ、モバイルコンテンツを提供している。NDTVとAmazonの関係は、2009年、ビデオとウェブコンテンツをAWSを使って配信しはじめた頃までさかのぼる。NDTVはAmazonの機能を活用して、AWSサービスをスケールさせてきた。2014年のインド総選挙では、このスケーラビリティが必要とされた。この時、NDTVのトラフィックは26倍になり、投票日には130億アクセスを記録したのだ。NDTVはAmazonがインドでプレゼンスを高めるのを歓迎している。NDTV ConvergenceのCTO、Kawaljit Singh Bedi氏は次のように語っている。
昨年、私たちのウェブとモバイルのトラフィックは30%以上伸びました。私たちはイーコマースやプラットフォーム統合といった新たな領域に手を伸ばしており、新しいインドリージョンのローンチにとてもワクワクしています。ローンチ時に提供されるサービスのポートフォリオ、低遅延、高信頼性、インドの法規制への準拠のおかげで、NDTVはこれらクリティカルなアプリケーションとITインフラすべてを、現在のところからAWSインドリージョンに移すことにしています。
最近のブログ記事で、AmazonのCTOであるWerner Vogels氏は、Amazonがインドに追加投資を進める要因について説明している。
インドのリージョンは、世界最大の経済的機会のひとつに加わりたい世界中の会社から、非常に求められてきたものです。 – インドには、急成長が期待できる経済、技術的タレントの豊かなエコシステムを持つ活況あるテクノロジーハブ、などがあります。私たちはインド市場を信じており、長期的に投資していきます。ムンバイリージョンによって、もっとインドのエンドユーザーのお役に立てることを期待しています。またムンバイリージョンのローンチによって、インドのエンタープライズ顧客とスタートアップが、IT運用コストの削減だけでなく、ビッグデータ解析やIoTなどの最新分野の変革的イノベーションにすばやく着手できるようになることを信じています。
インド市場に積極的に進出しているパブリッククラウドプロバイダは、Amazonだけではない。Microsoftはインドに、中央インド(プネ)、南インド(チェンナイ)、西インド(ムンバイ)という3つのAzureリージョンを持っている。
Rate this Article
- Editor Review
- Chief Editor Action