Apache Mynewtはオープンソースでモジュール形式のリアルタイムOS(RTOS)であり、メモリとストレージが限られており、最小限の消費電力で長期間稼働する必要があるIoTデバイスのために設計されたものである。Arduinoによる プレスリリースとスタートアップであるRuntimeはMynewtを"32bitのマイクロコントローラ(MCU)のための構成可能なOSで、ウェアラブル端末、照明、錠、ドアベルや他のIoT機器のような様々な組み込み装置で使用可能です。"と記述している。
プレスリリースによると、Mynewtは重要なIoTの課題に対処している。"32bit MCUはタブレットやスマートフォンに搭載されているCPUより手頃だが、LinuxやAndroidなどの派生OSを実行することができない。IoT開発者はこれらの小さく、高価でないプロセッサ上で実行できる商用利用可能なLinuxの代替を必要としている。"
Hackerboards.comでEric Brown氏がこれに同意している。"ARMのMbed OSのように、新しいApacheのMynewtはLinuxを実行できないハイエンドのMCUに対して何かLinux風の機能を提供することを目的としている。"
Mynewtプロジェクトの特徴はBluetooth Low Energy(BLE) 4.2のオープンソース実装である。Bluetooth 4.2はIoT開発に新しい能力を提供し、IPv6/6LoWPANとBlutooth Smart Gatewayのインターネット接続、電力消費効率とスループット向上が含まれる。
(C言語で記述された)Mynewtソフトウェアはgithubで入手可能である。プロジェクトはApacheライセンスバージョン2を採用している。EETimesのRick Merrittはこの意義を次のように記している。
MynewtはApache2.0ライセンスを採用している。GNU一般公開ライセンスと異なり、Mynewtをベースにした製品に追加したコードをユーザはコントリビュートする必要がない。
Apache Mynewtのサイトには新しいMynewtプロジェクトを開発することを補助する詳細な情報が公開されている。開発を始める一つの方法はMynewtのクイックスタートページを参照することである。2つのオプションが用意されている。
- 1つ目のオプションはすぐに取りかかれてMynewtを実行するのが簡単な方法である。Newtツールとビルドツールチェーンが使用可能なオールインワンのDockerコンテナをラップトップやコンピュータにインストールすることができる。
- 2つ目のオプションはNewtツール、(シミュレータターゲット向けの)Mynewt OSのインスタンス、 そして(例えばGNUツールチェーンのような)組み込みソフトウェアを開発するためのツールチェーンをコンテナを直接ラップトップやコンピュータにインストールする方法である。
ソフトウェアをインストールすると、最初のMynewtプロジェクトを作成することができる。
最新バージョンのApache MynewtであるMynewt 0.9.0-incubatingは追加のハードウェアサポートと拡張ハードウェア抽象化層(HAL)を含む。RuntimeのSerling Hughes氏による有益なプレゼンテーション(PDF)にはMynewtの開発ロードマップが含まれている。
- v0.10 (2016年6月): Wi-FiとIPのサポート
- v0.11 (2016年7月): Bluetoothの完全サポートと認証取得
- v1.0-GA (2016年10月): API互換性と完全なリグレッションのテスト
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