RightScaleが、業界でのDevOpsの動向を浮き彫りにする調査報告の結果を公開した。Docker、Puppet、Chefがツール市場の多数を占めており、エンタープライズ (大企業) でのDockerの採用が増加している。
RightScaleは、2月にState of the Cloud (クラウドの現状) 年次レポートを公開していた。今回のDevOps Trends (DevOpsの動向) レポートは、State of the Cloudレポートの調査におけるDevOps関連の回答を詳細に分析したものである。この調査は、2016年1月にRightScaleによって1060名の技術専門家に対して実施された。
DevOpsの採用は、2015年から2016年の間にエンタープライズで着実に増加している。驚くべき動向と言えるのは、DevOpsの採用が、SMB (中小企業) (70%) に比べてエンタープライズ (81%) の方がより進んでいることである。エンタープライズにおける採用は、ボトムアップ型である。プロジェクトやチームのレベルが最も多く、事業部や企業のレベルはより少ないものとなっている。
DevOpsツールのトップ3は、Docker、Puppet、Chefである。PuppetとChefはほぼ同じように人気があり、エンタープライズではChef (37%) に比べてPuppet (42%) の方が少しだけ好まれている。
Dockerは、もっとも速く増加しているツールであり、業界全体 (回答者全体) でもエンタープライズでも採用がほぼ倍増している。加えて、ほとんどのエンタープライズは、近い将来Dockerを使うことを計画している。直面しそうな課題は何だろうか? Dockerをすでに使っている回答者によれば、最も一般的な課題は経験がないことであり、セキュリティと未成熟なテクノロジが次に続いている。
組織は、開発環境、本番環境の両方でDockerを使っており、SMB (24%) よりエンタープライズ (29%) の方がよりDockerを使っている。また、SMBに比べてエンタープライズの方がDockerを試している。地理的には、ヨーロッパが最も多くDockerを使っている。世界的には、Dockerを最も使っているのはテクノロジ企業であり、エンタープライズと開発者が次に続いている。
構成管理 (Configuration Management、CM) ツールに関しては、PuppetとChefが多数を占めており、2015年から2016年の間でAnsibleの使用が倍増している。こういったツールを使っている組織は複数のツールを使う傾向があり、ChefとPuppetが最も幅広く一緒に使われているツールである。また、Dockerユーザの80%はCMツールも使っているので、こういったツールの使用はDockerの使用と密接に関連している。
Ubuntu、CentOS、Red Hatといった標準ディストリビューションが、コンテナOSの多数を占めている。最小主義のOSでは、CoreOSが最も幅広く使われている (12%)。
2016年に、コンテナに関しては、教育と経験を得ることに焦点が当てられるだろう。また、回答者の24%は、より一般的にコンテナを実行している仮想マシンではなく、ベアメタルサーバーでコンテナを実行することに興味を示している。Hyperのようなプロジェクトが、この方向への一歩である。
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