Twitterの提供する,モバイルアプリ用の継続的インテグレーションとデプロイメントのソリューションであるFastlaneに,GitHubのプルリクエストから直接ライブプレビューを更新可能にする新機能のデバイスグリッド(Device Grid)が導入された。さらにiTunes Connect用の2要素認証のサポートが追加され,Android APKファイルのサポートが改善されている。
Fastlaneのデバイスグリッド機能は,GitHubのプルリクエストによるアプリ変更を,開発者が手作業によるアプリのビルドやインストールをしなくても,ライブプレビューで簡単に確認できるようにしようというものだ。GitHubのPRシステムとの統合にはDangerを,ブラウザから直接アプリをストリームするためには,WebベースのiOSシミュレータとAndroidエミュレータを提供するサービスであるappetize.ioを,それぞれ使用している。
Fastlaneのデバイスグリッドでは,iOSシミュレータ用アプリの自動ビルド生成を設定して,appetize.ioをターゲットとしたアップロードを行なうことも可能である。以下のスニペットは,アプリのビルドとappetize.ioへのアップロードをFastlaneで設定するためのものだ。
desc "Build your app and upload it to Appetize to stream it in your browser"
lane :upload_to_appetize do
build_and_upload_to_appetize(
xcodebuild: {
workspace: "YourApp.xcworkspace",
scheme: "YourScheme"
}
)
end
これ以外に,開発者が手動で自身のアプリを生成して,appetize.ioにダウンロードすることもできる。
アプリを特定のポイントでローンチするディープリンクの利用もサポートしているため,レビュアがレビュすべき場所に直接アクセスすることが可能になる。PR-body下部に次のような定義を追加すれば,ディープリンクのジャンプ先を指定することができる。
:link: com.krausefx.app://bacons/show/937
多くの開発者にとって有用であろうもうひとつの機能が,iTunes Connectにアクセスする場合の2要素認証のサポートだ。2要素認証は最近になってAppleが導入したもので,開発者の身元確認にモバイルフォンを使用することによって,より高度なセキュリティとコントロールを提供する。
ユーザビリティの面では,TwitterのMac用FabricアプリからFastlaneをインストールすることが可能になり,依存関係や以前にインストールしたバージョンが管理されるようになった。
前述のようにAPKファイルのサポートが改善されている。 具体的には,APK拡張ファイルのGoogle Playへのアップロードとトラック間の昇格が可能になり,ベータ版から製品版への変更時にAPKを再度送信する必要がなくなった。
Fastlaneは元々,コマンドひとつで起動可能な“完全に動作する継続的デプロイメントプロセス”の提供を目的に,Felix Krause氏が開発したものだ。8ヶ月前にTwitterは,同社のモバイル開発プラットフォームであるFabricにFastlaneを加えると発表した。FabricはiOS,Android,その他のプラットフォーム向けに,リモートクラッシュレポートやベータ管理などの開発ツールを揃えたモジュールセットである。
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