Microsoftは,Visual Studio 2015の後継となるVisual Studio “15” (VS15)の,3回目となるプレビューをリリースした。これまでの開発プロセスの反復性を継承して,今回のプレビューではIDE機能のアップデート,ユーザによる変更が可能なC#のフォーマットルール,新しい例外ヘルパなどが提供されている。
IntelliSenseポップアップダイアログが変更され,表示される選択肢を制限するためのフィルタが定義可能になった。デフォルトではすべての選択肢が表示されるが,メソッドやプロパティ,あるいはクラスといった,タイプによって対象を制限するフィルタが追加されている。このポップアップの動作は,メニュー Tools | Options | Text | Editor | C# (あるいはVisual Basic) | IntelliSense のフィルタリングおよびハイライティングで指定が可能だ。
以前のプレビューで導入されたスタイルアナライザには,今回新たに3つの機能が追加されている。
- エディタのカーソルを文字列中に置いてEnterを入力することで,長い文字列を複数の連結文字列に分割できるようになった。
- 新しいコードアクションによって,プロパティをメソッドに変換できるようになった。
- NavigateTo検索結果にファジーマッチングが使用されるようになった。
VS2015 Update 3からの機能として,NuGetパッケージへの参照を追加する新しいクイックフィックスオプションが用意された。
デバッグを容易にするため,エディタで強調表示された例外に関する情報をポップアップダイアログボックスで表示する,新しいException Helperが追加された。表示されている例外がさらに内部に例外(inner exception)を持っている場合,それに関する情報もダイアログに表示される。
IDE一般に関しても,いくつかの変更が行われている。新しいサービスホストを提供する外部プロセスが追加された。タスクマネージャにはServiceHub.Host.CLR.*.exeおよびnode.exeと表示される。この変更は,以前のシステムで使用されていたローカルhttpトラフィックを廃止するためのものだ,とMicrosoftは説明している。
“Reload All Projects”コマンドが“Reload Solution”に置き換えられた。これによって理論的には,Gitのブランチ切り替えに伴うパフォーマンスが向上する。Gitのブランチを切り替えた後に“Reload Solution”を使用するのがベストプラクティスということになる。同様に,フォルダビューとソリューションビューの切り替えのパフォーマンスも改善されている。
VS15ではユーザプロファイルの使用が拡大している。VS15にサインインすると,新設されたRoaming Extension Managerがクラウドを使用して,利用中のエクステンションを記録してくれる。Roaming Listは,システムで使用を選択したひとつあるいは複数のエクステンションによってパーソナライズされた,エクステンションギャラリの一種ととらえることができる。選択されたエクステンションは,以下のカテゴリのいずれかに分類される。
- Roamed – Roaming Listに含まれるが,ローカルにはインストールされていないエクステンション。必要に応じてローカルにインストールすることができる。
- Roamed & Installed – Roaming Listに含まれ,ローカルにインストールされているエクステンション。必要に応じてローミングを停止することができる。
- Installed – ローカルにインストールされているが,Roamed Listには含まれていないエクステンション。Roaming Listにいつでも追加することができる。
- Not Installed – エクステンションギャラリで公開されているが,ローカルにインストールされず,Roaming Listにも含まれていないエクステンション。
最初の3つのカテゴリを示すためにはアイコンが使用されていて,エクステンションの現在の状態や,利用可能かどうかが一目で分かる。
VS15の完全なリリースノートがMicrosoftから提供されている (VS15が提供する全機能の累積的なリストが含まれている点に注意が必要だ)。
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