JavaScriptフレームワークAureliaのバージョン1.0がリリースされた。18ヶ月に及ぶ開発は、JavaScriptコミュニティが動乱に揺れる最中、最初の節目を迎えた。
AureliaはAngular vs React論争に割り込む新たな選択肢として候補にあがっている。Rob Eisenberg氏によって作成されたAureliaは、標準に則ったモジュール形式のフレームワークをミニマルなボイラープレートと作法ともに提供することを目標としている。
過去にはAngularの開発チームにいたEisenberg氏は、彼がチームから離れた理由に後継であるAngular 2の方向性があると語っている:
Angular 2は私が利用したいフレームワークではなく、私のコミュニティが利用したいものでもなく、そしてAngular 1のコミュニティが(私の知る事情を知れば)利用したいものでもないことに気付きました。それゆえ、私はAngular 2チームを去りWeb標準に準拠した次世代のプラットフォームを作成し、開発者が今まさに直面している問題を解決するようデザインしてきたのです。
その点において、Aureliaチームはフレームワークの適用が可能な限り簡単になるように努めている。彼らは、CLIツール、Webpack skeleton、JSPM skeleton、NPM、GitHub、Bower、そして基本的なスクリプトタグ等を含んだ様々な環境を提供している。
InfoQはEisenberg氏にAureliaとその将来について尋ねた:
InfoQ:Aureliaについて、初めてそれを耳にする方に向けてどのように説明していますか?
Eisenberg氏:Aureliaは、オープンソース・アプリケーション・プラットフォームです。ある種FlexやSilverlightのようなものですが、AureliaはすべてオープンなWeb技術と完全に標準ベースの技術により開発されています。ブラウザアプリ、モバイルアプリ、そしてデスクトップアプリのどの開発にも利用可能です。プラットフォームは開発者の邪魔をせず、高い生産性、クリーンなコード、最小限のベンダーロックインとなるようデザインされています。
プロジェクトの目標は何ですか?
最高レベルでは、オープンなウェブを進めることを目標としています。具体的には、複雑なアプリケーションをより簡単に作成できるようにし、より多くの開発者がプロプライエタリなネイティブの技術を標準ベースのソリューションで置き換えられるよう作業を進めています。
Aureliaを開発する上で大きな課題はありましたか?
Aureliaの開発時に直面した課題は、オープンソースとWebプロジェクトの両方によくみられるものです。技術的な観点では、残念ながら2016年においてもブラウザ間の実装差異に対応しなければならないことです。確かに、数年前と比較すれば状況はかなり改善されてきてはいますが、問題はまだ残っています。コミュニティの観点では、貢献者の数を成長させ続けていくという課題があります。多くの開発者はまだオープンソースプロジェクトへの貢献を踏みとどまっていたりその方法を知らなかったりします。そこに関わる方法はたくさんあり、貢献の大小に関わらず、それらすべてが重要です。私達が伝えたいのは、あなたが貢献するためにJavaScriptのエキスパートである必要性はまったくないということです。事実、あなたがプログラミングについて知識が少ないかあるいは何も知らなかったとしても、プロジェクトに貢献できる方法はたくさんあります。
Aureliaは今後どこに向かっていくのですか?
これまで私たちの焦点は、アプリケーション開発のための実現性と安定性があるプラットフォームの作成にありました。今回のバージョン1.0のリリースにより、私たちはその目標達成のために良い仕事ができたと思っています。ですが、開発者のより良いエクスペリエンスやオープンなウェブを進めるためにまだやるべきことはたくさんあります。私たちには現在進行中の取り組みもあります。これらのうちのいくつかは、単にバリデーションや仮想スクロールのためのライブラリを追加することなども含まれます。その他の取り組みは、SEOの改善やサーバーサイドレンダリングを中心としています。他にも、CLIの機能強化、テンプレート解析やエディタの統合など、各種ツールの強化にも取り組んでいます。
Aureliaの詳細は、aurelia.ioまで。
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