Windows 10 Anniversary Updateの公開でMicrosoftは,ユーザに対して,Edge Webブラウザによるバッテリ持続時間の向上をうたっている。
EdgeのプログラムマネージャであるBrandon Heenan氏は,ブログ記事の中で,Windows 10のEnergy Estimation Engineサービスを使用することにより,電力消費の原因を極めて詳細に監視することが可能になる,と説明している。
JavaScriptのガベージコレクションによって,毎日どれほど多くのエネルギが浪費されているか,考えたことがありますか?このレベルのデータに関しては,電源に関わるトレードオフは明確かつ意図的なものになります。Windows Insiderのフライトでは毎回,前回のフライトと現在のリリースバージョンを対象とした消費電力の比較を行なっています。調査では,新機能やコード変更によって消費電力が増加されない状態で,エネルギ効率改善を目的に設計された新機能を評価するため,遠隔操作法を使用しました。
バッテリ効率を向上するためにMicrosoftは,自分たちのコードとサードパーティ両方のコードの実行方法に対して,数多くの変更を行なった。例えばWindows 10 Anniversary Edition of Edgeでは,バックグラウンドのタブで動作するJavaScriptの実行を毎秒1回に制限するとともに,タブが不要なハードウェア起動を行なわないように調整を行なっている。
Flashは別プロセスに移動された上で,主要なエクスペリエンス以外の(Flashビデオなどの一次コンテンツではない)広告やアニメーションといったコンテンツは停止される。さらにMicrosoftでは,Edge UI自体の動作方法の調整や,不要なタスクの実行による電力の無駄を削減するために,Windows 10の新しいネットワーク改善を使用するなどの改良も行なっている。
別のブログ記事にはJason Weber氏が,現時点でも”Windows 10ではMicrosoft Edgeを使用するだけで,ChromeやFirefox,Operaよりも長時間のブラウズが可能になる”,と述べている。
FacebookやYouTube,Amazonといった一般サイトで実行する自動テストセットを使用したMicrosoftのベンチマークでは,EdgeがChromeやFirefox,Operaなどを消費電力の面で凌駕していることが示されている。各ブラウザのどのバージョンが使用されたのかは明らかではないが,その結果からは,電力効率に大きな違いのあることが見て取れるのだ。
別のテストとして,Microsoftは,Windows 10を搭載した4台のSurface Bookラップトップが,同じビデオをストリーミングしているビデオを公開した。その中ではEdgeが,Chromeよりも70%(3時間),Firefoxよりも43%長時間動作している。MicrosoftはInfoQに対して,このストリーミングデモがデフォルト設定のNetflixを使用して,ディスプレイを75%にセットした上で,Wifi経由で実施されたものであることを説明してくれた。
ChromeのユーザからはPCだけでなく,Macでもバッテリ性能に関する不満の声が聞こえているので,Chromeが電力を消費しているというのは意外ではない。
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