AmazonがApplication Load Balancer(ALB)をローンチした。これは新しいタイプのインテリジェントなロードバランサーで、HTTPベースのサービス運用におけるロードバランシングコストを削減するという。
ALBはOSIレイヤー7ロードバランサーで、パケットの内容に基づいて各種バックエンドサービスにルーティングさせることができる。従来のロードバランサー、OSIレイヤー4 TCP/UDPバランサーとは違い、ALBはパケットを調べて、それを適切なサービスへと送る。現在、URLに基づいてトラフィックをルーティングするルールを、10個まで定義できる。
これは粒度の細かいバックエンドサービスを動かしている人たちにメリットがある。サービスごとにElastic Load Balancerを動かす代わりに、ひとつのALBでトラフィックを複数のバックエンドサービスに分散させることができる。たとえば、/api
を含むURLを、/signup
を含むURLとは異なるバックエンドサービスにルーティングさせることが可能だ。
今後のアップデートでは、任意のHTTPヘッダー情報に基づいたルーティングが可能になりそうだ。AmazonのJeff Barr氏は「徐々に、他のルーティング手法も使えるようにしていく予定です」と語り、今後の改善をほのめかした。
標準のHTTPルーティングに加えて、ALBはWebSocketsとHTTP/2もサポートする。
8月11日のAWS Summit in New Yorkで、Amazon CTOのWerner Vogels氏は、新しいロードバランサーは劇的によくなっていると述べている。
プライベートベータに参加した初期カスタマーから、Classic Load Balancerよりもはるかに高速なだけでなく、コストも大幅に削減してくれる、といった声を聞いています。通常、10%以上安くなります。
他のクラウドプロバイダーも、すでに同様のサービスを提供している。MicrosoftのAzureにはApplication Gatewayがあり、GoogleにもHTTP(S)に基づくロードバランサーがある。
すでにALBは、Auto Scaling、ECS、CloudFormation、CodeDeploy、Certificate Managerといった他のAWS製品と一緒に機能する。Elastic BeanstalkとAWS Configとのインテグレーションは作業中だ。これまでのElastic Load BalancerはClassic Load Balancerと呼ばれるようになり、引き続き利用することができる。Load Balancer Copy Utilityを使うことで、従来のClassic Load BalancerをALBに移行することも可能だ。
新しいALBのセットアップについて、詳しくはBarr氏のブログ記事(日本語訳)を参照。.
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