PivotalのクラウドプラットフォームであるPivotal Cloud Foundryが新たに,ハイブリッド(一部がパブリック/一部がプライベートというような)クラウドのサポートを目的とするApigee API管理ツールに対応した。Apigeeのハイブリッドクラウド管理ソフトウェアであるEdge Microgatewayは昨年リリースされたものだが,Cloud Foundryのユーザは,それをPivotalプラットフォームのApigeeプラグインから利用できるようになる。
Apigeeで製品戦略を担当する上級副社長のEd Anuff氏は,同社のCarlos Eberhart氏とともに8月2日のSpringOne Platformカンファレンスで講演し,ハイブリッドクラウド環境におけるルートの管理と,内部APIをユーザ環境に公開する企業が直面する問題について論じた。そこで両氏が言及したキーポイントは,レイテンシとセキュリティに関して発生する問題だ。内部のサービスと外部ユーザとの間には,複数の間接的なホップが存在する可能性がある。また,集中管理された設定の欠如が,内部のある点と他のいくつかの外部アプリケーションとの間のコネクション管理に関して,セキュリティやコンプライアンスの穴を生じさせる場合があるのだ。
Apigeeの開発したNode.jsアプリケーションであるMicrogatewayは,トラフィック管理やクオータ設定,コンテンツのキャッシングなどに悩むAPIプロデューサのためのサービススイートだ。SpringOne PlatformでのAnuff氏のプレゼンテーションは,“アプリケーション開発者がこれらの機能をアプリケーション開発時に意識”することなく,すべて開発中のAPIに組み込むことはできないだろうか,という要求から始まった。MicrogatewayはAPIとユーザアプリケーションの1対1のマッピングを生成して,内部サービスの標準スイートと,それらサービスを集中的に設定可能なロケーションを提供する。これによって例えば,スパイクの阻止やさまざまなセキュリティポリシを,人手による開発作業を必要とせずに適切に実行できるようになる。
ApigeeとPivotalのCloud Foundryソフトウェアとのコラボレーションが始まったのは今年5月,ApigeeのAPI管理ソフトウェアであるApigee EdgeがPivotal Networkマーケットプレースの後援パートナサービスになった時である。Eberhart氏はSpringOne Platformのプレゼンテーションで,このパートナシップがApigeeにとって適切なものである理由について説明した。
ディジタルというのは使い古された言葉ですが,ルートには実現すべき2つの側面,すなわち共有ないし消費する側と生成する側とがあります。PivotalとCloud Foundryがその生成する側ですばらしい仕事をしてくれることで,私たちは共有側に専念できると考えています。
Apigeeはより多くのAPIコンシューマ向けのソフトウェアサービスを取り込みたいと考えているが,現時点ではプロデューサ管理に重点を置いている,とEberhart氏は述べている。
ApigeeとPivotalのパートナシップの理由として,両社はそれぞれ,マイクロサービスの拡大があることも認めている。Cloud FoundryとMicrogatewayはいずれも,プラットフォームツールとソフトウェアを確立する自主的アプローチを望むチームのためのものだ。数百という数の自律型マイクロアプリを開発する状況において,APIやクラウドプラットフォームといった,大部分のアプリケーションが依存するソフトウェアインフラストラクチャの側面をすべて手作業で構築していたのでは,あまりにも時間が掛かり過ぎる。マイクロサービスの人気が高まるにつれ,このようなアジリティの要求をサポートするツールを見出すことへの圧力も高まっている。Apigeeのプレスリリースには,同社のPivotalとのコラボレーションがそうした複雑化や大規模化への対応の一環であることが記されている。
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