Microsoftは開発者にBot Framework Previewの提供を始め、Googleは多くの統合が可能なボットエンジンであるAPI.aiを買収した。
今年の春、FacebookはMessenger PlatformとWit.aiがホストするボットエンジンをオープンにした。2ヶ月後、彼らは新しいバージョンのエンジンをリリースし、開発者は20000人から45000人に倍増した。このうち、どのくらいの開発者がMessengerに統合されたチャットボットを実際に開発しており、どのくらいが単に試しているだけなのかわからない。ひとつ起きてしまったこととしては、多くの開発者が流入してきた結果、ビルドインされたトレーニング用のデータセットが汚染され、不正確になりきれいにする仕事が必要になった、ということだ。
4月から、MicrosoftはBot Frameworkを提供している。現時点ではプレビューだ。開発者はC#とNode.jsでチャットボットやAzure上で動作するアプリケーションを開発できる。Messengerの内部だけで使えるFacebookのボットエンジンとは違い、Bot Frameworkで作ったボットはSkype、Email、Office 365、GroupMe、SMSなどのMicrosoftのほかのアプリケーションとも連携でき、さらに、Microsoftのではないアプリケーションとも連携できる。Facebook Messenger、Kik、Slackだ。また、ウェブページにも埋め込むことができる。
Bot Frameworkを使って開発したボットはMicrosoft Cognitive Servicesを利用できる。これは、画像認識、感情分析、顔認識、動画検出、言語処理、検索を提供するAPIだ。自然言語の解釈にはMicrosoftのLanguage Understanding Intelligent Service (LUIS)を使うことになる。対応している言語は、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、中国だ。Bot Directoryには、現時点でさまざまな企業が開発した55のボットがある。
Apigeeの買収後、GoogleはボットエンジンのAPI.aiを買収している。API.aiはWit.aiと似ており、– エンティティ、インテント、アクション –という同じコンセプトを踏襲している。しかし、Amazon Alexa、Cortana、Kik、Facebook Messenger、Skype、Slack、Twitterなど多くのアプリケーションと連携できる。また、多くのOS、プラットフォーム、言語向けのSDKを提供している。Android、iOS、Xamarin、Unity、Cordova、C#、C++、Java、JavaScript、PHP、Python、Rubyなどだ。すでに今までで、30億のリクエストをさばいてきたとのことだ。
Googleの方がより優れた自然言語処理サービスを保有しているにも関わらず、なぜAPI.aiを買収したのかは明らかではない。ひょっとしたら、多くのアプリケーションと統合できることやすでに60000人の開発者が使っていることが理由かもしれない。AssistantのようなGoogleのチャットボットにユーザーベースを与えることになる。AssistantのプレビューはAlloとともに提供が始まった。AlloはGoogleの新しいチャットアプリケーションだ。Assistantは自然言語を理解し、ニュースの提供や質問への回答、フレーズの翻訳、飛行機やレストランの予約、メールなど毎日のタスクをこなしてくれる。
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