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Git 2.10リリース - pushとworktreeコマンドの改良,スタイルオプションの追加など

原文(投稿日:2016/09/05)へのリンク

先日リリースされたGit 2.10のpushコマンドには,より正確になった処理情報や追加オプションのサポート,--force-with-leaseの改良など,いくつかの便利な機能が追加されている。さらに,新しいオプションによってシグネチャがより便利になり,カラーリングスキーマに斜体や取り消し線が使えるようになった。

git pushの改善点は次のようなものだ。

  • git push --force-with-leaseで,他のコントリビュータによる同時pushによって上書きされず,新しいrefが生成されることを保証する。これにより,fetch後にmergeを行なわずにpushする場合,事前にupdate-refを使用する必要はなくなる。

  • 混乱のリスクを軽減するため,push中のgit gcによってサーバ上で生成されたメッセージには,クライアント側でremote:プレフィックスが付加されるようになった。git gcはファイルリビジョンの圧縮など,ハウスキーピングタスクを実行するコマンドの多くで,そのコマンドに続いて自動的に実行される。

  • 新設された--push-optionフラグによって,pre-receiveとpost-receiveフックの受信端に追加オプションを渡すことが可能になった。

  • git pushが,pushペイロードの受信後にサーバ上で動作するタスクについて,従来よりも正確なレポートを生成するようになった。GitHubには,この機能の詳細な説明が公開されている

worktreeコマンドにも,いくつかの改良が加えられている。

  • git worktree addで,前のブランチの省略形として-が使用できるようになった。完全な表現では@{-1}になる。

  • git worktree lockによって,常時マウントされていないポータブルデバイスやネットワーク共有上にストアされている,リンクされたワークツリーが除外(prune)されることを防止できるようになった。これまではワークツリー内の管理ファイルとともに,開発者が手動でlockedという名称のファイルを作成することで,ワークツリーをロックする必要があった。

前述のように,Git 2.10ではシグネチャに関する作業が簡単になった。事実としてgit logなどのコマンドでは,64ビットの完全なキーIDが表示されるようになった。またgit logでは,新設されたコンフィギュレーション変数log.showSignatureを使用することで,デフォルトでシグネチャを表示できるようになった。この動作は,--no-show-signatureを使ってオーバーライドすることが可能だ。さらにgit pull --rebaseでは,--verify-signatureの指定が無効であることが,ユーザに警告されるようになった。

最後に,出力カラーのスキームの拡張によって斜体や取り消し線テキストがサポートされ,他のカラー指定オプションと組み合わせることが可能になった。

Git 2.10には他にも多数の新機能や改良,バグフィックスがあり,リリースノートに記載されている。

 
 

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