いつものように、ThoughtWorks Technology Radarは、Language & Frameworks、Platforms、Techniques、Toolsという4つの領域をカバーする。それぞれの領域は、Adopt、Trial、Assess、Holdという4つの推奨レベルに分かれている。この記事では、各領域で新しく注目すべきものだけを取り上げる。
Language & Frameworks
Adopt: Ember.js はその生産性によりシングルページアプリケーションに推奨されている。Redux は6ヶ月前のTrialから上昇しており、ThoughtWorksの複数のプロジェクトでも「非常に重要な」ツールになっている。
Trial: 素早いUIテストのためにEnzyme 、使いやすさとスピードでPhoenixが挙げられている。また、QuickとNimbleは、SwiftとObjective-Cの読みやすいテストを提供する。
Assess: 新しいもの、それほど新しくないものも含め、多数の言語とフレームワークが調査のために推奨されている。そこには、ECMAScript 2017、JuMP、Physical Web、Rapidoid、ReSwift、Three.js、Vue.js 、WebRTCなどが含まれている。これらは今回初めて登場した。
Hold: July 2014年7月からRaderに登場してきたAngularJS v1.xが、新規プロジェクトにはHoldとされた。これは採用を慎重に進めることを意味しており、Raderの作者は、コードのスピードと互換性のために、代わりにEmber、React、Reduxを勧めている。Angular 2.0に言及されていないのは興味深い。
Platforms
Adopt: ダウングレード攻撃を避けるために、HSTS (HTTP Strict Transport Security)がWebサイトに推奨されている。一方、Linuxセキュリティモジュールは特定のセキュリティ上の脆弱性を防ぐのに役立つ。
Trial: Auth0が「インテグレーションの簡単さ、プロトコルとコネクタの豊富なサポート、豊富な管理API」のために推奨されている。一方、Unityは、VRやARの体験を作成するのに良いプラットフォームだとみなされている。
Assess: 会社へのインパクトを調べるために、ThoughtWorksは次のプラットフォームを評価すべきだと推奨している。AWS Application Load Balancer、Electron、Ethereum、HoloLens、India Stack、Nuance、OpenVR、Tarantool、wit.ai。Cassandraは控えめに推奨されている。
Hold: CMSは大規模アプリケーションに推奨されない。意欲的すぎるAPIゲートウェイは、「テストとデプロイが困難」な設計につながる。
Techniques
Adopt: 初登場のPipelines as codeがトップに入った。「実行中のCI/CDツールを設定するのではなく、デプロイメントパイプラインをコードで定義する」。既存のツールには、LambdaCD、Drone、GoCD、GoMatic、Concourseがある。
Trial: プロダクトとしてのAPI(APIs as a product)は、顧客が何を提供すべきかを迅速に評価し、自らの能力を組み合わせることで新たな機能が手に入る可能性があるということで、評価されている。軽量なアーキテクチャ判断記録(Lightweight Architecture Decision Records)は、「重要なアーキテクチャ判断をそのコンテキストと結果とともに記録する」ためのテクニックとして推奨されている。
Assess: いくつかの新しいテクニックが評価のために推奨されている。クライアント指向クエリ(Client directed Query)、コンテナセキュリティスキャニング、差分プライバシー、マイクロフロントエンド。マイクロフロントエンドは、マイクロサービス開発スタイルをフロントエンドWeb開発にコピーするテクニックだ。Webサイトのページや機能は、最初から最後まで小規模な開発チームに委ねられる。
Hold: このカテゴリには、Anemic RESTがある。これは「テンプレート化されたURLを介して、静的で階層的なデータモデルを単に公開するサービスを素直に開発すること」を意味する。これは避けるべきだ。
Tools
予想通り、これはRaderで最もダイナミックな部分であり、新しい追加や変更が多数ある。
Adopt: Babel – JavaScriptコンパイラ - と Graphana – ダッシュボード生成ツール – が初登場でトップに入った。
Trial: Fastlane、Galen、JSONassert、Pa11y、Talisman、tmateが新たに追加された。当該技術が時間の経過とともにうまくいかない場合に、リスクに対処できるプロジェクトで試してみることを推奨する。
Assess: Android-x86、Axios、Bottled Water (ストリーミングツール)、Clojure.spec、FBSnapshotTestcase (iOSアプリの外観をテストする)、Scikit-learn (Pythonで書かれた機械学習ライブラリ) が、このカテゴリに追加された。
Hold: デプロイメントパイプラインとしてJenkinsを使うのをやめるよう、ThoughtWorksは推奨している。「デプロイメントパイプラインをファーストクラス表現として」作られていないためだ。他の可能な選択肢として、ConcourseCI、LambdaCD、Spinnaker、Drone、GoCDなどがある。
ThoughtWorksが検討する価値があると考えているテクノロジーについて、詳しくはRadarを読むことを推奨する。
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