Ashley Nolan氏の年次フロントエンドツールサーベイの2016年版が発表された。その結果は「どのフレームワークを選ぶべきか」という議論に具体的な数値を与えてくれる。
コミュニティには、GoogleはAngular 2の開発に勤しんでいるが、Reactが有力なJavaScriptフレームワークになってきている、というムードがあるようだ。サーベイ結果によると、回答者の37.67%がReactを頻繁に使っており、これはAngular(1と2の合計)を使っている33.24%を上回っている。Angularの利用者では、Angular 2よりもAngular 1を使っている人の方が多い。これは多くの人がGoogleの新しいプラットフォームに切り替えていない可能性を示唆している。新参のVue.jsでさえAngular 2よりも使われており、9.67%が頻繁に使っていると回答している。
「あなたは自分のプロジェクトの多くに、どのライブラリもしくはフレームワークが不可欠だと考えていますか?」という質問に対し、18.18%がReactが不可欠だと答えており、Angular 1は8.19%、Angular 2は2.74%だった。ここでもVue.jsはAngular 2よりも多くの人が不可欠だと答えている。
モジュールバンドラについて、Webpackが他を圧倒し、回答者の約42%を占めている。2位はBrowserifyの約11%でかなり差がある。
InfoQはNolan氏にコンタクトして、サーベイ結果に対する彼の見解をたずねた。
InfoQ: JavaScriptについて、どの結果があなたをもっとも驚かせましたか?
Ashley Nolan氏: jQueryが依然として非常に強いことに少し驚きました。驚いたのは、jQueryがまだ有用なツールだからではなく、ES6が使いやすくなって多くの開発者がjQueryから移っているからです。開発者の69.65%が自分のプロジェクトで頻繁に使い、31.13%がまだ不可欠なJSツールだと考えているという結果を見るに、jQueryは依然として多くの開発者のワークフローで重要な役割を果たしているようです。
また、どれだけ開発者がWebpackを利用しているかを見て驚きました。2015年の結果では、モジュールバンドラのリーダーははっきりしていませんでしたが、今回はWebpackがはっきりとした支持を得て、回答者の41.61%が利用する、このカテゴリでもっとも使われているツールになりました。
InfoQ: ReactとAngularの人気についてどう思いますか?
Nolan: Reactは業界で非常に勢いがあり、今のところ衰える兆候はありません。来年の調査でも、少し成長を続けると思いますが、もっとも関心があるのは、現在Angular 1を使っている開発者がどれくらいバージョン2に移行するのか、あるいは代わりにReact(もしくは他のフレームワーク)に切り替えるのか、だと思います。
InfoQ: 2017年はどうなると思いますか?
Nolan: 開発者がES6を使うようになり、JSトランスパイラの利用がさらに進むと思います。ES6を使い始める開発者が増えるにつれて、jQueryの利用も少し落ちるだろうと思います。
今後12ヶ月、CSSネーミングスキームやStylelintをはじめとするCSS linterの知識など、CSSツールの利用が広がるのを見たいです。JavaScriptコミュニティでは、ツールの重要性が非常に重視されているようですが、CSSを(プロプロセッサの外で)書くときにはそれほどでもないように思います。
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