この前の11月に、Microsoftは「業界初のCloud Bot-as-a-Service」プラットフォームを発表した。ボットは、具体的には会話アプリのことだが、最近、AmazonやGoogleが最新のディープラーニングを発表しており、人気の領域である。
Azure Bot ServiceはMicrosoft Bot Frameworkによって提供され、Azure Functions上に構築されたサーバレスの計算バックエンドを備える。ボットサービスを使用することで、開発者はSlack、Facebook Messenger、Skype、Microsoft Teams、Kik、Office 365などの一般的なチャットアプリケーションに接続する会話型アプリケーションを構築できる。また、テキスト/SMSメッセージングもサポートしており、Webサイトに組み込むことも可能である。
MicrosoftのArtificial Intelligence and Research Groupに所属する著名なエンジニアであるLili Cheng氏は、Microsoftがこのサービスを構築する理由を説明している。
ソフトウェア開発者が、会話体験を作り上げるには、ソフトウェアを設計、構築する方法に対する考え方の変革が必要です。ですから、それはうまくやるのはかなり難しいでしょう。会話は本質的に流動的であり、接線(会話のやりとりを点であるのと対比して線と表現)となるのが普通です。
task completionアプリがモバイルプラットフォーム向けに開発される傾向にある一方で、Amino社のマーケティングトップであるCarine Carmy氏のように、メッセージングボットのためのモバイルアプリは終わりにしたいと望んでいる人がいる。次に記載する批判は、適切なモバイルアプリを探究する上での衝突に大きく関係している。
モバイルアプリは顧客の維持には優れているが、獲得には貧弱です。
Microsoftの主席ソフトウェア開発エンジニアであるLars Liden氏は、従来のモバイル体験を構築する際、開発者が直面する課題のいくつかを述べている。
アプリの問題は、ユーザが外部にアクセスして携帯電話にインストールする必要があることです。現実的には、ユーザはおそらく自分の携帯電話で5、6個のアプリを使用しています。開発者の視点では、さまざまなプラットフォームで動作するアプリを開発するのには非常に苦労します。それには多くの労力が伴います。ボットについてはすばらしいことに、一度ビルドすればどこでも利用できます。それによって、あなたの人生ははるかに楽になります。大抵の人は自分の電話を使うとき、ほとんどの時間、チャットアプリを使っています。そのため、開いているチャットアプリ内で、ボットサービスに情報を要求するだけでいいのです。
開発者が会話型アプリケーションに移行するときに、落ちる可能性のある落とし穴がある。ボットを構築する場合、開発者は通常2つのことに時間を費やす。それは、ボットのロジックやインテリジェンスの構築と、ユーザに公開するためにさまざまなサービスにボットを実装することである。Liden氏は下記の通り言及している。
ほとんどの開発者は、実際のボットでの作業に時間を費やしたいが、ボットをさまざまなサービスに接続しようとするような、時間を使いたくない作業に自分の時間の80%を費やします。
Microsoft Bot-as-a-Serviceプラットフォームは、開発者の作業を簡素化することを目的としている。開発プロセスを加速するために、サンプル、Visual StudioとVisual Codeのサポート、テンプレート、統合されたチャットウィンドウが含まれており、それらは全て、ボットをAzureに公開する前のローカル環境でのテストに使うことができる。Azureにボットを公開した後は、Azure Functionsにある機能を利用してオンデマンドでスケールできる。開発サポートはGitとVisual Studio Onlineを通して継続的に受けられる。
Image Source: (screenshot) https://channel9.msdn.com/Blogs/Windows-Azure/Introducing-the-Azure-Bot-Service
マイクロソフトは、第三者のチャネルやMicrosoftのCognitive Servicesなどの他のAPIへのインテグレーションをサポートしている。Cognitive Servicesに接続することで、開発者はマイクロソフトが投資してきた自然言語処理機能を活用して、主要なフレーズ、センチメント分析、言語検出、またはトピック検出を検出することができる。開発者はLanguage Understanding Intelligent Service (LUIS)モデルを作成することで、ボット内でコンテキスト認識や、自己学習による会話が可能となる。
Microsoftが議論している言語理解の例は、株価を取得できるチャットアプリケーションである。特定の株式銘柄について株価を返答するアプリケーションを構築するのはあまり難しくないが、ユーザに自由形式のテキストボックスが与えられると難しくなる。LUISを使用して、開発者は機械学習アルゴリズムをトレーニングして、株価を要求する様々な文を理解させることができるようになる。これは、LUISコンソール内でIntentとEntityを定義することで実現できる。開発者は開発したモデルを、ボットアプリケーションで利用できるようにする前に、トレーニングしてテストすることができる。
Image Source: (screenshot) https://channel9.msdn.com/Blogs/Windows-Azure/Introducing-the-Azure-Bot-Service
Azure Bot-as-a-Serviceを利用する場合、開発者は自身のアプリが消費するリソースに対してのみ料金を支払うことになる。これには、Azure Functionsに関連する計算と、ボットによる全てのCognitive Services API呼び出しが含まれる。価格設定に関連する詳細な情報はここを参照のこと。
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