AWSは先日,Amazon LinuxオペレーティングシステムのDockerコンテナイメージをローンチした。独自のクラウドおよびオンプレミス環境用の汎用性の高いデプロイメントオプションとして,EC2独自のAmazon Linux AMIを補完するものだ。Amazon EC2 Container Registry (Amazon ECR)から,およびDocker Hubの公式リポジトリとして入手可能だ。
Amazon Linux AMIは,“Amazon EC2上で動作するアプリケーションに安定性と安全性を備えたハイパフォーマンスな実行環境を提供する”目的で設計された,“Amazon Web Servicesがサポートおよびメンテナンスを提供するLinuxイメージ”で,AWS Elastic Beanstalkプラットフォーム,Amazon Elastic MapReduceリリース,Amazon EC2 Container Serviceインスタンスなど,AWSのLinuxベースのサービスのベースイメージとして長く使用されてきたものだ。
EC2での独自のLinuxワークロードでは,一般的な選択肢としてAmazon Linuxもあるが,“開発,ステージング,運用の可能な限りの一致”をうたう開発/運用一致(dev/prod parity)の原則に対するサポートの欠如のため,広範な採用には至っていなかった。AWSは今回,Amazon EC2 Container Registry(AWS独自の完全に管理されたDockerコンテナレジストリ)に,さらにはDocker Hubの公式リポジトリとしてAmazon Linuxコンテナイメージを公開することで,この問題に対処したのだ。イメージは通常の方法でプルすることができる。
# Pull Amazon Linux container image from Amazon ECR
region=<regionname>
$(aws ecr get-login --region $region --registry-ids 137112412989)
docker pull 137112412989.dkr.ecr.$region.amazonaws.com/amazonlinux
# Pull Amazon Linux container image from Docker Hub
docker pull amazonlinux
Amazon Linux AMIとコンテナイメージの大きな違いは,AMIがAWS Command Line Interface (AWS CLI)など,AWS関連のインストール済みパッケージで頻繁に利用されていることだ。対照的に,AWSチームによれば,彼らは“可搬性を考慮して,可能な限り小さいコンテナイメージを作成した” (現在は292.3MB)ので,“ユーザが自身のニーズを満たすように設定することが推奨”されている。コンテナイメージが“同じソースとパッケージから構築されている”ことから,すべてのAmazon Linux AMIパッケージがインストール可能であるはずだ。
Amazon Linuxコンテナイメージのサポートは,新設されたAmazon Linuxフォーラムを通じて行われる。Amazon Linux AMIも今後はこちらで扱われる(これまではAmazon EC2フォーラムを通じてサポートされていた。関連情報は今後もこちらで公開される)。Amazon ECRユーザガイドには,Amazon Linux Container Imageのプル方法が詳説されている。またAmazon Linux AMIユーザガイドでは,リポジトリ設定やパッケージの追加など,コンテナイメージにも適用されるトピックが取り上げられている。リリースノートはAmazon Linux AMIハブから入手可能だ。
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