CA TechnologiesのCEOであるMike Gregoire氏が先日のCA Worldカンファレンスのオープニングで,今後成功するのはソフトウェアをすべての活動の中心に置くことによって“継続的な変化(Built To Change)”を行なう企業であり,競争優位性の主要な実現手段としてソフトウェアによる根本的な“継続的変化”が必要だ,という予測を披露した。それによると,
私たちは今,大規模なグローバルビジネス革命の真っ只中にいます。そこで従来のリーダシップや人的資源,財務管理の原則が試されているのです。ここにあげたすべてが,テクノロジの利用法,ソフトウェアの開発法において,新たな考え方 – ビジネス全般にわたるアジリティ – を必要としています。私たちはこの新たな機会に素早く対応し,活用し,イノベーションを実現して,ユーザに対してユニークな価値を提供しなければなりません。
講演の中で氏は,この革命の例をあげて,それがいかに幅広い産業に影響を与えるかを説明した。
InfoQは同社でアジャイル管理ビジネス部門を担当するSVPのRyan Polk氏に,この“新しいパラダイム”が企業とそのテクノロジ部門に与える影響について,話を聞いた。
InfoQ: 企業には“継続的な変化”が必要だ,と話されていましたが,どのような意味なのでしょう?これまではそうではなかったのでしょうか?
Ryan Polk: 企業が市場において高い競争力を保つには,すなわち,自らの受ける混乱を抑制しつつ,競合相手を抑え込むためには,革新と改善を続けることが必要です。興味深いことに,これまでは必ずしもそうではありませんでした。変化したのはイノベーションの余地であり,他の企業を抑圧すべくデザインされた市場全体のセクタの導入です。ビジネス文化は過去20年間で変化し,テクノロジの進化が,企業の行動にこれまで以上の迅速さを求めるようになったのです。かつて新しいソフトウェアの開発には,最低でも1年(多くの場合は2年)を要するのが普通でした。現在では新たな製品やソフトウェアを月単位(あるいはもっと早く)入手可能になると同時に,その直後にはユーザとしての価値を手にすることができるようになっています。それによって‘ソフトウェアの世界’におけるイノベーションの能力が,ソフトウェアのみならず,すべての製品に対する私たちの考え方を左右するようになったのです。待つことを望まない消費者のために,製品の提供サイクルも年々速くなっています。
InfoQ: 企業の技術的リーダにとって,これはどのように影響するのでしょうか?
Polk: 技術面でのリーダには,改善と改革を継続できる組織の構築が求められます – 過去の栄光に満足することは許されないのです。開発組織の行動の迅速さに留まらず,適切なものを開発しているか,現在の市場において持続可能なものを開発しているか,といったことを考えなくてはなりません。さらには,現在の市場における継続的な変化に集中するあまり,目の前にある巨大な市場を見落としてはいないでしょうか?
また,多くの場合において,リーダのマネジメントスタイルも変える必要があります。リーダは継続的に組織を改善しなくてはなりません。ソフトウェア企業にとって,これは,アジャイル手法による開発を意味します。アジャイルはあなたのすべての行動に影響します。完全なアジャイル組織になることの意味を,チームが完全に理解しなくてはなりません。単にアジャイルを“する”のとは違います。
InfoQ: そのような変革を推進するために,企業はどのような新技術やアプローチを調査し,採用するべきなのでしょうか?
Polk: アジャイルとアジャイル・アット・スケールですね。その他にはDevOpsや継続的デリバリ – これらはテーブルステークス(table stakes)になります。また,ユーザにどこまで早く製品を提供できるか,どこまで早いフィードバックサイクルを実現できるか,といった点にも注目する必要があります。持っているアイデア,そのアイデアが生み出す利益ないし収入,ユーザにとっての満足感,というループを完結できなければ,作り上げるべきシステムは完成しません。
InfoQ: What are the implications for things like management structures, team formation, HR policies and other areas of business in order to support the new ways of working?
InfoQ: 新しい仕事のやり方をサポートする上で,管理構造やチームフォーメーション,人事方針,あるいは他のビジネス領域といったものは,どのような関わりを持つのでしょうか?
Polk: マネジメントに必要なのはスピード感と,ユーザに提供する価値を中心とした構造です – 政治的な力関係ではありません。アジャイルの観点から言えば,フラットな組織,最小実行可能な人事方針,組織の全レベルを通じた強力なチームのコンセプトといったものが重要です。組織を理解し管理する上において,チームがどのようにアジャイル的行動や振る舞いを使用するのか,といったチームのコンセプトは,エンジニアから経営陣に至るまで,すべての行動において中核をなすものなのです。
InfoQ: ユーザの組織全体,特に技術的チームが新たな作業の方法を導入する上で,CAはどのようなサポートを提供するのでしょう?
Polk: まず第一に,ユーザのソリューション全体を重視しています。ここでのソリューションには,よりよい作業,アイデアから成果を得るよりよい方法などが含まれます。当社はコーチングや移行サービスを通じて,企業がよりアジャイルになるため,より効率的な方法で自らのユーザにサービスできるようになるために協力しています。また,リーダが変化の必要性を理解することを支援するとともに,変化を企業全体に展開したり,長期的に管理するためのフレームワークを提供します。さらにユーザがソフトウェアやIT製品を計画し,管理し,継続的にデリバリおよびサービスすることを支援する製品の提供も行います。リーダシップと変革サービスの組み合わせ,およびこれらのコンセプトに沿った製品の提供が,当社の主要な差別要因のひとつになっています。それが当社の製品がサポートする新たな管理方法と相まって,まったく新しい仕事の進め方を実現するのです。
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