「How Creative Workers Learn」という本の著者Alexandre Magno氏はスクラム・ギャザリング・ポルトガル2016で、組織の外部から持ち込まれたままではなく組織の内部から創発されるプラクティスの力を示すマスタークラスを開催した。
Magno氏は、チームや組織が必要に応じてそのコンテキストで満たす必要があると判断したものを創発的なプラクティス(emergent practice)として定義する。それは必ずしもそのチームや組織によって発明された新しいプラクティスではない。創発的なプラクティスが何であるかを理解するには、次の違いを理解することだ。
- 学びのプロセスは「学習体験自体を生み出すもの」である。
- (Scrumなどの)学びのプロダクトは「学習体験の結果」である。
Magno氏は、学びのプロダクトの持つ学習体験の結果にもっと焦点を当てることを教示した。目標を達成する独自の方法の発見を重要視せず、Scrum、Kanban、Safe、Less、Extreme Programming、その他のプラクティスやフレームワークを組織に持ち込むのはこのためだ。
また、創発的なプラクティスの重要性を、Aga Khan Foundation U.S.A 最高経営責任者(CEO)のAleem Walji氏の発言から引用して示した。
解決策が常にスケールするとは限りません。しかし、我々は試み、学び、適応することで、それを可能にします。
解決策を探求することの早すぎる中断傾向として定義された初期収束(Premature Convergence)は、人々や組織がベストプラクティスを見つけたり、新しいプラクティスが創発されることを妨げる理由として指摘された。
規範的なプラクティスや創発的なプラクティス、そして(先述の書籍にある)LearningとLearningがどのように現在のバージョン3.0にまで進化してきたかに話が及んだ。端的には、
- Learning 1.0は、専門家が質問を行い答えを示す規範的な学習の純粋な適用である。
- Learning 2.0は、学習者による定式化された質問を助長する。専門家は依然として答えを示す。
- Learning 3.0は、質問を掲示し、学びのプロセスを通じて回答を見つける創発的な学習に関するものである。あるいは単に、
分かち合うことは新しい学習の形である。
スライドにはここからアクセスできる。
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