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身を持って得た教訓

原文(投稿日:2017/01/16)へのリンク

MicrosoftのクラウドソリューションアーキテクトであるRicardo Fiel氏は,Scrum Gathering Portugal 2016で,いろいろなタイプの組織とのコラボレーションから氏が見出した共通点と,自身の方法でチーム環境を活用する過程において氏が学んだ教訓についてプレゼンテーションを行なった。

Fiel氏は著者で講演家のTony Robbins氏と,氏がTed Talkで行なった“Why We Do What We Do?”に言及し,人間の6大欲求である確実性,多様性,意義,つながりと愛,成長,貢献に加えるべきものとして,人間の持つ2つの大きな恐怖を取り上げた。

  • 愛されないこと
  • 満たされないこと

次に氏は,Patrik Lencioni氏の提唱するチームの機能障害に関する5つのピラミッドを示しながら,健全な作業空間とチーム環境をめぐる軋轢において何を回避すべきか,詳しく説明した。

その内容に基づいて,氏は,理想のチーム環境とは安全,究極の自律性,成長重視,透明性,楽しさといったものを一義的に考えたものでなくてはならない,と考えている。そのような環境を実現する上で,氏が得た教訓は次のようなものだ。

  • 雇用は遅く
  • 解雇は速く
  • 導入研修の重要性
  • 諦めの早い者(quitter)を熱狂的ファンに
  • 有害人物の排除
  • 企業の基本原理の重視
  • 勤務評価の抹殺
  • 自律性と権限の付与
  • 遠隔地の人々のサポート
  • 透明性の促進
  • 全員を責任ある大人として扱うこと

InfoQはFiel氏に,この話題への取り組みに関して詳しく聞くことにした。

InfoQ: あなたの挙げている教訓は,おもに人に焦点を当てたものですが,技術やオフィス条件といった,他のことについてはどうなのでしょう?理想的なチーム環境を作る上では,あまり重要ではないのでしょうか?

Ricardo Fiel: 何よりも大切なのは人と文化です。明りのない部屋にいる優秀な人たちは,素晴らしいオフィスにいる平凡な人たちよりも常に優れた仕事をするものです。設備はよいに越したことはありませんが,必須ではありません。プロセスやツールについても同じです。優れたチームは,たとえツールが完璧でなくても,エレガントな方法で問題を解決することに集中します。もっとも私としては,チームは常に最高のツールを利用できるべきだ,と思っています。

InfoQ: 理想的なチーム環境の特性をいくつか挙げられていますが,組織の規模は,それぞれの特性に何らかの関係を持つのでしょうか?

Fiel: そうですね。私の経験から言えば,コミュニケーションが難しくなります。実際の問題として,いくつかの話題に関与したくないと考えるチームメンバも現れます。Ricardo Semler氏は,すばらしい著書である“Maverick”の中で,40人程度に達したら企業を2つに分割しています。

InfoQ: 社員の典型的な関心事といえば,勤務評価やボーナス,キャリアアップですが,この部分にはどのような提案があるのか,詳しく説明して頂けますか?

Fiel: チームに対して実際に影響を与える勤務評価は,何よりも給与とボーナスだと思います。チームの全メンバを対象とした360度評価はこれまでも試みられてきましたが,完全に透過な評価を実現できることはなかなかありません。これまでに見たチームの中で最高の例は,感情的な影響を廃した状況で,月ないし四半期に一度,互いに率直な評価を交わし合うという方法です。私も試してみたのですが,結果は,すべてのメンバに対する現実的なステップという面で,勤務評価よりもはるかに良好でした。たいていは半日程度ですが,よい投資だと思います。

InfoQ: 最後の質問になりますが,成功(と失敗)に対する称賛や,チーム環境のコンテキストにおける重要性については,どのように思いますか?

Fiel: ぜひとも実行すべきです。小さな成功を称賛し,失敗から学ぶのです。また,仕事外のイベントをチームでスケジュールしましょう。サーフディやフットボール,ディナーといったように。チームの志気が見違えるほど高まります。オフィス内では,アレンジを好きなように変えて,自分の家にいるように感じさせるものを壁に掲げてください。マイルストンに達したり,何かよいことが起こるたびに,壁におもちゃを貼り付けていたチームもありました。こういったことを奨めてください。彼らのスペースなのですから。

プレゼンテーションのすべての内容はこちらで見ることができる。

 
 
 

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