Realmチームは,リアルタイム自動データ同期,リアルタイムコラボレーション,ライブメッセージングなどの機能を備えたiOSおよびAndroid用モバイルアプリの開発を目的とする,Realm Mobile Platformのバージョン1.0を発表した。
InfoQが昨年9月,RealmがMobile Platformをベータ版として導入した時に報告したように,その主要な特徴のひとつとして,オフライン重視の開発をシームレスにサポートするためのコンフリクトの自動解決機構を備えた,クライアントとサーバとのリアルタイムなデータ同期機能がある。コンフリクトの解決は,Realmによれば,ネットワーク接続の喪失や断続的な切断に直面した場合においても,プラットフォームが常に適切な振る舞いをする上で極めて重要な機能である。バージョン1.0では,エンタープライズ版でのみ利用可能な3つの新機能が追加された。
- データ統合API — Realmで動作するアプリから既存のデータソースに接続するための機能である。発表時点ではPostgreSQLソースのみがサポートされているが,同社によれば,OracleやMongoDB,Hadoop,SAP HANA,Redis用のコネクタが近々リリースされる予定である。
- 水平スケーラビリティ — 複数のRealm Object Serverインスタンスをデプロイすることによる,接続処理能力の向上を可能にする。Realmによると,これによって100万以上の同時リアルタイムユーザをサポートすることができる。
- セカンダリサーバへの継続的データレプリケーション — メインサーバ障害時にスイッチ可能。
Realm Mobile DatabaseとRealm Mobile Platformのクライアント側は完全なオープンソースで,iOS(Objective-C)やAndroid,.NET/Xamarin,Node.jsなど多くのプラットフォームで利用可能だ。Realm Object Serverはオンプレミス,あるいはAWSやAzureなどパブリッククラウドにデプロイできる。
Realm Mobile Platformは3段階で提供される。
- リアルタイムの双方向データ同期を提供する“デベロッパエディション”。商用アプリケーションを含む開発用に,無制限で無償使用が可能だ。
- サーバ側アクセスとイベント処理の可能な“プロフェッショナルエディション”。オブジェクトの状態変化がサーバに伝達されると同時に起動されるサーバ側ハンドラを定義することにより,サーバレスのアプリケーションが実現可能になる。
- レガシデータ統合,スケーラビリティ,レプリケーションを含む“エンタープライズエディション”。
Realm Object ServerはMacOSまたはLinuxにインストール可能で,rpmおよびdpkgパッケージとして提供される。
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