アジャイルになるための勇気

勇敢であるということは、たとえ怖かったとしても、必要なことをする、ということだ。アジャイルの最も重要な点はうまくいっていないことを調査し思い切って変革することだ、とGitte Klitgaard氏はいう。小さな実験から始めて、よりよい方法を見つける。もしそれがうまくいかなかったから、それをやめればいい。

アジャイルコーチであるGitte Klitgaard氏は、European Testing Conference 2017の2日目の基調講演で"Are You Brave Enough to Be Vulnerable?"と題して話した。InfoQはこのカンファレンスをインタビューや記事でカバーしている。

dictionary.comでは、勇気とは"人を困難や危険、痛みに恐怖心なしで向き合えるようにする心、精神の特質"と定義されている。この定義に対して、Klitgaard氏は"恐怖がないのであれば、ふつうは、バカなだけです"という。恐怖は何かが危険である、ということを見つけるのに役に立つ。勇気の中にも恐怖がある。勇気とは怖れないということではない。するべきことをする、ということだ。

Klitgaard氏は次のようにいう。

勇敢であるということは恐怖を取り除いたり、怖れないようにしたりすることではありません。怖くてもなすべきことをなす、ということです。

また、氏は"心を見せる"ということも勇気の定義に含めている。勇気とは心を見せることであり、自分自身を攻撃されやすくするということだ。傷つくかもしれないし、自分自身の失敗を許さなければならない。そこからよりよいものが得られるからだ、とKlitgaard氏はいう。周囲と異なっているという勇気を持つ必要がある。周囲から奇妙だと思われたとしても。恐怖と喜びを共有するのだ。

小さな勇気というものは存在しない。勇敢であるために何か大きなことをする必要はない。小さなことが重要だ。

テスターが開発者と話すとき、攻撃されやすい状態になる。本当の問題が起きたら、声を上げる必要があるかもしれない。自分が信じていることのために決起するのが重要だ。しかし、戦いは選ばなければならない。すべてのために立ち上がることはできない、とKlitgaard氏はいう。

開発者であることは職人であることだ、とKlitgaard氏はいう。開発者はコードの品質を気にかける。テスターは彼らの品質改善を助けることができる。

アジャイルで最も重要なのは、調査し、適応することだ、とKlitgaard氏は主張する。うまくいかないことを変える必要がある。変化を起こすとき、未知の領域に足を踏み入れる。成功するかどうかもわからずに。あえてそうする必要がある、とKlitgaard氏はいう。

すべてがうまくいっているなら、小さな実験から始めるといい。これは怖いことかもしれない。何も問題ないなら、なぜ変化を起こすのか。改善する方法を見つけるためだ。実験をし、それがうまくいかなかったら、やめればいい。

学習すればするほど、何がわかっていないかについて知ることができる。学習する勇気を持つ必要がある。助けを求めるにも勇気が必要だ。助けを求めるのは愚かなことではない、とKlitgaard氏はいう。自分を傷つきやすい状態にすることができるほど勇敢であるということだ。助けられたとき、心を開いたことになる。それは怖いことかもしれない。

小さな一歩を進めることが重要だ。あなたはあなた自身でなければならない、とKlitgaard氏はいう。そのためには、あなた自身が何者なのかを明らかにする必要がある。自分自身に耳を傾ける必要がある。自分を見つける冒険に出ること。何かが間違っていると思ったら、それが何かを明らかにすることが必要だとKlitgaard氏は話した。