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Google Cloud Nextカンファレンスまとめ

原文(投稿日:2017/03/14)へのリンク

世界中の熱心なクラウド支持者がGoogle Cloud Nextに参加し同社のクラウドの最新情報に耳を傾けた。多くのキーノートと200を超えるセッションから浮かび上がったのは次の3つのテーマだ。すなわち、サービスのスケールと成熟、機械学習、そして、企業用途に対する親和性だ。
 
このカンファレンスでは同社の幹部がクラウドサービスの多くのアップデートを発表した。TechRepublicが指摘するように、同社は仮想マシンのvCPUの上限を2倍にし、Intelの最先端のプロセッサを搭載した。
計算については、Google Cloudの顧客は最大416GBのメモリを積んだ64コアの仮想マシンにアクセスできます。また、Googleのプレゼンによれば、クラウドサービスとして初めてIntelの次世代Xeon Skylakeプロセッサを搭載します。
また、Googleはクラウドの設置箇所を増やしている。同社の技術インフラ部門のシニアVPであるUrs Holzle氏によれば、同社はカリフォルニアとモントリオールとオランダに新しいデータセンターを立ち上げた。これによって50のゾーンから形成される全11リージョンになった。Alphabet, Incの議長であるEric Schmidt氏によれば、Googleが数百億ドルをクラウドに投資しているので、顧客は投資する必要がない。
“我々は300億ドルをこのプラットフォームに投資しました。”とSchmidt氏は言います。“このプラットフォームを複製するなんて意味があるでしょうか。すでに現実はこのようになっているのです。これは本当に真剣なミッションです。Googleには新しい計算プラットフォームを世界的に展開し必要な人に使ってもらえるようにするための資金と意義とコミットメントがあるのです。これを複製しようなんて思わないでください。もっと賢くお金を使ってください。
 
Richard Seroter氏の厚意により画像を転載
 
当初から提供されているクラウドサービスもアップグレードした。App Engine Flexは新しい言語とDockerをサポートする。
App EngineはNode.jsRubyJava 8Python 2.7と3.5Go 1.8をサポートします。またベータですが、PHP 7.1と.NET Coreもサポートします。App Engineの99.95%というSLAでサポートされます。マネージドなランタイムでお好みの言語で簡単に開始しオープンソースのライブラリとパッケージを活用できます。そのまま使えるもの以外のことが必要な場合は、独自のDockerコンテナを使ってマネージドランタイムを飛び越えてください。App Engine上でどんな言語でもライブラリでもフレームワークでも使えます。
Googleはウェブスケールなデータサービスとして知られている。Google Cloud Nextでは、データベースについても複数の強化が発表された。完全にマネージドなMySQLデータベースを提供することに加え、Googleは完全にマネージドなPostgreSQLインスタンスも提供する。また、Google Compute Engine上でのMicrosoft SQL Server Enterpriseのイメージの一般提供も発表した。また、カンファレンスの数週間前に発表された、Google Cloud Spannerの話題も見逃せない。このCAP定理に挑戦するリレーショナルデータベースはカンファレンスのキーノートやセッションで一際目立っていた。
 
オープンソースの貢献と成長はこのカンファレンスでの中心的な話題だった。Googleは2016年にはGitHub上で287.024のコミットがなされたことを強調した。昨年だけで15,000のプロジェクトに対して貢献がなされた。同社がスポンサーをしているプロジェクトのひとつにKubernetesがある。カンファレンスでは同社がCloud FoundryのリリースエンジニアリングツールであるBOSHをKubernetes環境へ持ち込むべくPivotalとパートナーシップを締結したことが発表された。
 
Googleは機械学習関連のサービスも多数発表している。新しいCloud Video Intelligence APIは機械学習を活用して動画分析を行い、開発者がオブジェクトを検索できるようにする。また、Data Loss Prevention APIは機械学習を使ってテキストと画像から個人を特定できる情報(personally identifiable information,PII)を見つけ修正をする。分析のためにデータサイエンティストがデータを準備する時間を削減するため、GoogleはGoogle Cloud Dataprepを作成した。
Google Cloud Dataprepは新しいサーバレスのブラウザベースのサービスであり、分析のためのデータの準備にかかる時間を劇的に削減します。データの準備に費やされる時間はデータサイエンティストの時間の80%を占めると言われています。こんサービスはデータソースと接続し、データのタイプを特定し、例外的なデータを特定し、データ変換を提案します。データサイエンティストは提案されたデータ変換に満足するまで、データのスキーマを視覚化できます。そして、DataprepはGoogle Cloud Dataflowでデータパイプラインを作成し、BigQueryなどの出力先にエクスポートします。
またその他の機械学習関連の発表としてCloud Vision APIの一般提供、Cloud Machine Learning Engineの一般提供、そしてKaggleの買収があった。Kaggleは"データサイエンティストと機械学習の支持者の世界最大のコミュニティ"と説明された
 
"企業用途との親和性"はこのカンファレンスの主要なトレンドの最後のひとつだった。Googleの企業向けの取り組みを褒めちぎる企業たちが登壇し、Googleも大規模なビジネスに対応するたくさんの機能を紹介した。注力している領域のひとつがコスト管理だ。
Googleはコストについて話すことで企業をターゲットにしています。Hölzle氏によれば、他のクラウドサービスプロバイダを使っている企業は、すべてのリソースを使わなくても固定された構成を強制されるという犠牲を払い、安値で提供を受けるために3年リースの契約にサインして多くの無駄な支払いをしています。
これに対処するため、GoogleはCommitted Use Discountsを発表した。このプログラムでは、事前支払いをすることで大幅な値引きを受けられる。AWSでは顧客は特定のインスタンスサイズを事前に確保することで値引きを受けられるが、Googleの値引きはRAMとCPUに掛かる。月額に対する値引きであり、多くのマシンタイプ、インスタンスタイプに適用される。Googleによれば、このモデルなら柔軟性を犠牲にせずに大きくコストを削減できる
GoogleとAWSの価格を両社の値引きの構造を踏まえて"現実世界のシナリオ"として分析した結果、RightScaleは、単年から3年の利用で、Googleのほうが28%から35%程度AWSより安いことを明らかにしました。
また、Googleは他のベンダとは違うサポートモデルの提供も発表している。Engineering Supportプログラムのコストは月額費用に含まれず、サポートシート単位の支払いになる。Googleによれば、このモデルによってより予測可能になり、より自由度が増す。
この新しいモデルでは、チームに必要な役割の分だけを支払います。そして、アプリケーションのライフサイクルに最も適したサポート応答の時間を決定し、誰がサポートやりとりするのかを決めます。
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サポートレベルをミックスしてプロジェクトの開発の成熟度具合に応じて使うこともできます。
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月極めの内容を調整してビジネスの動きの中でサポートのニーズを変えることもできます。
 
Microsoft製品は"エンタープライズ"の代名詞であり、GoogleはMicrosoft製品を使う場合にも同社のクラウドが魅力的であるようにしたいと思っている。彼らはWindowsと.NETのための新しい機能を複数発表した
Googleは以前、エンタープライズ分野をリードするWindowsのクラウド環境を構築すると約束しました。以前にも事前に構成されたMicrosoft SQL Server EnterpriseとWindows Server CoreのGoogle Compute Engineでのサポートを発表しています。そして、Stevens氏は今日、SQL Server Enterpriseの一般提供を発表し、さらに、Google App EngineとContainer Engine向けの.NETのベータを発表しました。
Googleの幹部は多くのツールの改善についても発表している。チームベースのストレージドライブ、Driveの内容に対するガバナンスコントロールHangoutsの操作性の改善、また、"クラウド内ホワイトボードである"Jamboardのデモを行った。
 
Richard Seroter氏の厚意により画像を転載
 
このカンファレンスではエンタープライズに親和的なパートナーシップも発表された。どのようなパブリッククラウドでも行われる通過儀礼だが、GoogleはSAPとのパートナーシップを発表している。
Googleによれば、SAPはSAP HANAをGoogle Cloud上で提供します。SAP HANAはインメモリデータベースであり分析エンジンです。これはGoogleにとって重要な一歩です。顧客として、そしてパートナーとして大企業がGCP上に加わったことが強調されるからです。
2016年秋、GoogleはCustomer Reliability Engineering (CRE)を発表した。Google Cloud Nextでは、GoogleはPivotalが最初のCRE技術パートナーになったと発表した。Google Cloud PlatformでPivotal Cloud Foundryを動かしている顧客は"デフォルトで高い信頼性を持つシステムを構築し配置できるという点に心地よさを感じる"。Google Cloud上でマネージドなサービスを探している顧客向けにRackspaceとのパートナーシップも発表している。
 
Googleは今回のカンファレンスの概要を"100 announcements from Google Cloud Next '17"という記事でまとめている。キーノートとセッションはYoutubeで観れる。
 
 

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