RightScaleは先頃,年次クラウド調査の最新結果(RightScale 2017 State of the Cloud Report)を公開した。クラウドコンピューティングの採用と利用に関するステータスとトレンドが,昨年の結果との比較で示されている。
調査で明らかになった主なポイントについて,その一部を紹介しよう。
- プライベートクラウドの採用が5%減の72%に,ハイブリッドクラウドの採用が4%減の67%に,それぞれ減少した。
- 企業の大部分(85%)が複数のクラウドを使用している。この数値は昨年調査時の82%から3%上昇した。
- ユーザは平均4つの異なるクラウドを使用しており,内訳はパブリッククラウドが1.8,プライベートクラウドがとなっている。その他に4つのクラウドで試験を行なっている。
- クラウドユーザはパブリックとプライベートにそれぞれ41%と38%と,ほぼ同じ比率で自身のワークロードを分散運用している。ただし企業としては,パブリック32%に対してプライベート43%というように,プライベートクラウドの方を好んでいる。
- 60%以上の企業IT部門が,クラウドに移行するアプリケーションの選択や使用するクラウドの決定に関して,より中心的な立場にあることを望む一方で,これらの決定をIT部門に任せたいと考える企業は20%程度に過ぎない。
- クラウドコンピューティングの困難な部分を考える時,ユーザの頭にまず浮かぶのは次の3つの課題だ – リソースおよび専門知識の不足,セキュリティ,支出管理。これら3つはすべて,昨年の32%,29%。26%から,それぞれが25%にまで減少している。
- 調査の回答者はクラウドリソースの浪費を30%と評価しているが,RightScaleの測定によると,実際の浪費は最大45%に及んでいる。浪費は使用しないクラウドリソースや,価格の高いクラウドの利用などの形で確認される。
- クラウドユーザの間で最も重要なイニシアティブはコスト削減(53%)である。熟練のユーザはさらに,コスト削減(64%)にも関心を持っている。
- DevOpsの採用が74%から78%に増加している。DevOpsをすでに使用している企業は84%に達しており,その30%は全部門に展開している。
- Dockerの採用率(35%)が,最新の35%から下落したChefとPuppet(各28%)のそれを越えた。Ansibleは21%である。企業ではさらにDockerの使用が多く(40%),他に30%が使用を計画している。
- Kubernetesの採用が倍増して14%となった。
- パブリッククラウド市場のシェアでは依然としてAWSが群を抜いており,昨年と同じく57%を占める一方で,Azureが20%から34%にジャンプアップしている。Googleは10%から15%となって第3位である。
- プライベートクラウドに関してはVMwareのvSphereが42%でリードし,以下はOpenStackが20%,VMware vCloud 19%,Azure Pack 14%と続く。
調査方法としては,世界中からの1,002名の回答者のうち,約半数(48%)が企業(従業員1,000名以上)である。RightScaleのユーザーは全回答者の20%を占めている。すべての結果と詳細に関しては,無料公開されている全調査報告を読むとよいだろう。
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