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広告を手軽に - Snapchatの新APIによる同社広告のプレゼンス強化

原文(投稿日:2017/03/06)へのリンク

Snapchatは同社の広告APIにおいて重要な意味を持つ、新たなセルフサービス機能をリリースした。今回のアップデートによって同社のユーザ企業は、自社のセルフサービス能力内において広告を購入し、高度なターゲッティング広告のメリットを活用できるようになる。

今回のアップデートはSnapchatにとって、高度なセルフサービス広告APIを備えたFacebookなど競合他社のスピードに追いつくためのものだ。FacebookはA/Bテストソフトウェア(ユーザベースに対していくつかの異なるシナリオをテストして、最も効果的なものを確認するソフトウェア)など関連ツールと統合することにより、理想的な広告をプログラムで作成可能としている。

プログラムによる広告はここ最近、急速に増加している。eMarketerによれば、2016年の全ディジタル広告の73%にプログラムによる広告が利用されていたが、2018年にはこれが全ディジタルメディアの82%に達すると推定されている。Snapchatもこれら統計の例外ではない。同社の新APIは潜在的な広告出稿者に対して、広告の自動生成とカスタマイズを可能にするものだ。Snapchatの広告ネットワーク呼び出しなどの手段を経由して発注する従来の方法に代えて、単純なエンドポイントの呼び出しによって、広告作成をすべて自社内で効率的に行なうことができるようになる。

Snapchatの新APIは広告を出稿する顧客に対して、自身による広告作成と管理を可能にするだけではなく、統合化されたA/Bテストプラットフォームなど、有用な広告ターゲッティング機能も提供する。SnapchatのAPIが備えるターゲッティング機能としては、Snapchatのカスタマベースを個々の企業にマッチさせる機能、デバイスやロケーションや性別による基本的なユーザ情報ターゲッティング、インタレストベースのターゲッティングやモデリングなどがある。これらに加えて、Snapchat広告データの調査結果を確認するために、ユーザフレンドリなツールをいくつも備えたWebベースのダッシュボードを数多く提供している。

McDonaldやGatoradeといったいくつかの大手ブランドは、すでにSnapchatの新APIの使用を開始している。Nordstromの広報担当であるTara Darrow氏は先日、次のような声明を発表した。“ 当社がSnap Ads APIコンテントを通じてローンチしたIvy Parkコンテントに対して、顧客から今後どのような反響があるのか、今からとても楽しみにしています。今後も新たなバージョンを通じて、彼らと関係を持っていきたいと思っています。”APIユーザのニーズに応えるため、Snapchatは近い将来、広告の再ターゲッティングや、広告の出稿者がクッキーを使用して、ユーザがそのブラウザセッションでオンライン参照した先をトラックすることによってそのユーザの興味を知り、よりターゲットを絞った関連広告を提供する機能など、さらなるAPI機能の追加を計画中だ。

このような新しいAPI機能を通じて、広告技術の分野における同社の進歩を誇示する一方で、同社CEOのEvan Spiegel氏は、ユーザに恐怖心や反感を持たれないために、この新しいアドワークには軽いタッチが必要であると警告する。“私は今朝見た広告は、自分が昨日購入を考えていたものでした ... 本当に迷惑な話です。ユーザに気味が悪いと思われないように、注意しなくてはなりません。それは私たちにとって、本当に重要なことです。”ターゲット広告が便利か“気味が悪い”かは主観的なものだが、Spiegel氏のこの発言は、プラットフォーム広告が完全にセルフサービス可能になることの危険性について、重要な点を指摘している。潜在的な顧客と広告主が、メッセージに対して同じ価値観を有している、という保証はないのだ。積極性を好むユーザもいるかも知れないが、ユーザに関する過剰な情報を含んだ永続的な広告は、それに対する嫌悪感だけに留まらず、Snapchatに対する顧客イメージにも影響を与える可能性がある。今回の広告技術としてのセルフサービス機能の導入で重要なのは、APIでより詳細なコントロールが可能になったことにより、広告出稿者のメッセージが広告提供側のものと同等になった点だ。Snapchatはプログラム広告の侵襲性の拡大を認知している企業の一社であることから、この分野においては、今後も消費者とそのプライバシ保護を維持する広告技術ツールを開発、提供するリーダの一翼を担うことが期待される。

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