米国国防相(DoD)は、“オープンソース試験として”code.milをローンチすると発表した。“DoDプロジェクトのサポートの下で連邦政府の職員が作成した非機密コードに対して、世界中のソフトウェア開発者がコラボレーション可能にする”ことが、このプロジェクトの目的だ。
DoDはオープンソースプラットフォームであるGitHubと共同で、DoD内に構築されたソフトウェアプロジェクトにおいて、民間部門のソフトウェア開発者と連邦政府の従事者とのコラボレーションを促進するための実験を行います。
米国国防相では以前から、機密と非機密とを問わず、開発の基本コンポーネントとしてオープンソースソフトウェアを活用してきたが、今回の新たな活動はDoDの契約下で開発された非機密ソフトウェアに関して、透過的な共有手段の提供を目標としている点がユニークだ。
米国では、政府が企業ないし個人向けの契約下で開発されたソフトウェアを所有する。従来はこれが、政府の出資した非機密ソフトウェアを共有する上で障害になり、多くの場合において、前回の契約下で開発したソフトウェアが実現したものと同じ機能を備えたソフトウェアを、別の企業が改めて開発することで、複数の開発業者に資金を払う結果となっていた。
この目的を達成する上で難しいのはライセンスの問題だ。Thomas Claburn氏はThe Registerサイトに、“オープンソースが緒に就く前に、政府のプログラマとその関与するコミュニティには、DoDプロジェクトに適用する上で適切なライセンスを選択することが求められます”、と記した上で 、“現時点でDoDのリポジトリには、実際のコードがない”点を指摘している。
コードが存在しないのは意図的で(いくつかのプロジェクトは、すでにGitHubへの登録準備を完了しているが)、ライセンスの問題によるものだ。DoDの発表によると、
Code.milでは、契約法としてDOSA(Defense Open Source Agreement)を使用する法的手続きを、DoDのソフトウェアプロジェクトで一般的に使用されるライセンスに加えるための検証を行なっています。DDSでは、オープンかつフリーなソフトウェアに対する包括的アプローチを考案する上で、オープンソースイニシアティブやフリーソフトウェア財団にも助言を求めています。
Claburn氏は、提案されているDOSAの合法性について疑問を持っている。“Twitterアカウントから米軍従事者と判断されるChaim Krause氏が、GitHubのイシューシステムを通じて、DoDはパブリックドメイン以外の協定下でソフトウェアのリリースを要求することはできないのではないか、という疑問を投げ掛けています。”
Code.milは簡潔なライセンス提示の声明を発表するとともに、“Contributing to Our Projects”で開発者の参加を呼びかけている。FAQ(Frequently Asked Questions)のページも用意している。
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