マイクロソフトは先頃、Azure Relay Hybrid ConnectionsサービスがGA(General Availability)に達したことを発表した。WebSocketベースのこのサービスは、現在はWCF Relaysと呼ばれている、既存のAzure Service Bus Relayサービスを補完するものだ。WCF Relaysは機能的にはHybrid Connectionsとほぼ同じだが、従来と同じくWindows Communication Foundation(WCF)に依存している。InfoQでは以前、2016年11月のHybrid Connectionsの公開プレビューに関して、MicrosoftのClemens Vasters氏とのインタビューを交えてお伝えしている。
Azure Relayの中核機能は、ユーザによるハイブリッド接続を実現することだ。Microsoftはこのサービスを次のように位置づけている。
企業のエンタープライズネットワーク内にあるサービスを、パブリッククラウドに向けて、安全に公開することが可能になります。ファイアウォールに穴を開けたり、あるいは企業のネットワークインフラストラクチャを大幅に更新する必要はありません。RelayはさまざまなトランスポートプロトコルとWebサービス標準をサポートします。
Azure Relayサービスは、Azure内のランデブーアドレスに結び付けられた双方向ソケットを作成することによって機能する。クライアントがこのランデブーアドレスにデータをサブミットすると、ソケット経由でオンプレミス環境内のリスナにデータが送信される仕組みだ。このアーキテクチャは、エンドポイント間の静的コンフィギュレーションが数多く必要なVPNなど、従来のネットワークレベルの統合テクノロジに代わるものだ。
新しいHybrid Connectionsの重要な特徴のひとつとして、オープンな標準プロトコルであるWebSocketが採用されていることがある。これによってクロスプラットフォームな開発が可能になり、WindowsやLinux、その他WebSocketをサポートするプラットフォームでサービスを利用できるようになる。さらにHybrid Connectionsでは、.NET CoreやJavaScript/Node.jsなど他のプログラミング言語や、複数のRPCプログラミングモデルもサポートされている。
Microsoftは開発者に向けて、次のようなRelay Serviceを選択する際のガイダンスを提供している。
画像ソース: https://docs.microsoft.com/en-us/azure/service-bus-relay/relay-what-is-it#wcf-relays
WCF RelayとHybrid Connectionは今後も共存することになる。マイクロソフトは次のように述べている。
これら2つのサービスは、近い将来、Relay Service内で共存するようになります。この2つはゲートウェイを共有していますが、それ以外は異なる実装です。
サービス間で共通のゲートウェイを使用する場合、異なる課金方法が適用される。Hybrid Connectionはリスナ単位で課金され、1ヶ月あたり5GBのデータ転送が含まれている。5GBを越えるデータ転送に対しては、追加の費用が発生する。WCF Relayの費用は、リスナが有効になっているリレー時間と、交換されたメッセージ10,000件単位の料金に基づいて決定される。詳細については、Azureの料金に関するページを参照してほしい。
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