Google I/O 2017で発表されたように、Android Studio 3.0にはKotlinのフルサポートが追加される。また、今後の開発のため、KotlinはJetBrainsから独立した非営利組織に移管される。
Googleは、Android開発のためのプログラミング言語の短いリスト(JavaとC++)に、Kotlinを追加した。Kotlinを選んだ理由について、Googleは「(Kotlinは)簡潔で、表現豊かで、タイプセーフでヌルセーフに設計されており」「すでに多くのAndroid開発者たちが、Kotlinを使うと開発がもっと素早く、もっと楽しくなると思っている」と述べた。もうひとつ重要な理由は、KotlinはJavaと完全に相互運用可能で、JVM上で動作する言語であることだった。Kotlinはexternal
修飾子によってJNIをサポートしており、C++/Androidコードを呼び出すこともできる。Kotlinのソースコードから、JVMのためのJavaバイトコードや、JavaScriptソースコードを生成することもできる。
これまでKotlinでプログラムを書くためには、Android Studioのプラグインを使わなくてはならなかったが、Android Studio 3.0からは完全にサポートされるようになる。これには、リファクタリング、自動補完、Lint、デバッギング、その他すべてが含まれる。Android Studio 3.0はGoogle I/O 2017でアナウンスされたが、まだcanaryプレビューリリースだ。メインで使えるようになるには、あと数ヶ月は必要だろう。
Kotlinを導入しやすくした言語機能のひとつは、Javaと相互運用できることだ。KotlinからAndroid Javaコードを実行することもできるし、JavaからKotlinコードを呼び出すこともできる。ひとつのAndroidプロジェクトにJavaファイルとKotlinファイルの両方を入れることもできる。また、既存のJavaファイルをKotlinに変換することも可能だ。開発者はすべてをKotlinに移行する必要はないが、Javaで開発を続けながら、Kotlinが気にいるか試してみることができる。新しい言語の簡潔さが気にいった人は、もっとそれを使って仕事がしたいと思うかもしれない。
JDK 6と互換性があるため、Kotlinコードは古いバージョンも含めた全てのAndroidバージョンで動作する。KotlinのコルーチンはAndroidによってサポートされているが、実験的な機能であるため、Googleはその将来に関して何も保証していない。言語がどのように進化するかにかかっている。
GoogleはJetBrainsと協力して、Kotlinを非営利組織に移行すると述べた。言語はオープンソースだが、この組織は、言語の将来がひとつの企業に握られていないことを保証するだろう。この移行は、GoogleがKotlinの推進に関与する可能性があることを示している。これはKotlinにとって良い知らせだ。
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