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GitLab 9がリリース、サブグループとデプロイボードを装備、監視機能を統合

原文(投稿日:2017/03/31)へのリンク

GitLabは、同社のソフトウェア開発用共同プラットフォームのバージョン9を発表した。注目すべき新機能としては、サブグループ、パフォーマンス監視の統合化などがある。

コミュニティ版とエンタープライズ版のいずれでも利用可能なサブグループは、多くの組織で見られるような、複雑な階層構造を表現するための機能だ。例えば、ひとつのプロジェクトにおいて、バックエンドチーム用のサブグループ、フロントエンド用のサブグループ、デザイン用のサブグループを定義できる。それぞれのサブグループは独自のリポジトリに加えて、必要ならば、さらにサブグループを持つことも可能だ。最大で20レベルのサブグループのネストがサポートされている。グループに所属するメンバは、親グループの権限をすべて継承すると同時に、特定のグループの参照対象になることもできる。これによって、より細かな通知の制御が可能になる。

チームの生産性向上が期待できる機能として、 Prometheus監視システムのGitLab CI/CDパイプラインへのさらなる統合がある。特にGitLab 9では、特定のブランチのライフサイクルに関連付けられた一時的環境であるReview Appsなどによって、 開発環境の監視がこれまでよりもさらに使いやすくなっている。現時点で可能なのはCPUとメモリ使用量の監視であるが、将来的にはマージによるパフォーマンスへの影響など、より多くのメトリクスがサポートされる予定だ。

その他の主な新機能としては、プレミアムエンタープライズ版限定ではあるが、Deploy Boardがある。これは、複数のサーバ上のすべてのフェーズを通じてKubernetesのデプロイを監視可能にすることによって、Kubernetesにアクセスしなくても問題を容易に特定可能にするものだ。

GitLab 9には他にも多数の機能が含まれているが、イシューのエクスポートのサポート、データベースのロードバランシングなど一部の機能については、エンタープライズ版のみでの提供となる。

共同設立者でCEOのSid Sijbrandij氏に話を聞いた。

GitLabは、一般には、WebベースのGitリポジトリマネージャとして理解されています。一方ではCI/CDやイシュー管理、分析、チャットなど、その範疇を越えた機能を多数備えたものに成長しています。現在のGitLabをどのように定義しますか?機能のバランスという面ではどうでしょうか?

過去数年間、私たちは、現代的なソフトウェア開発を企業の開発チームにとって、より使いやすいものにするために取り組んできました。私たちの目標も、ライトウェイトなイシュートラッキング、バージョン管理、CIを単一プラットフォームで提供するというものから、ソフトウェア開発ライフサイクルのあらゆるステップを単一のエレガントなUIに結びつけることに変わりました。今日のGitLabは、自立型のGitリポジトリ管理におけるナンバーワンのソリューションであり、市場の約3分の2を占めています。

9.0では、コラボレーションの強化と所有権への配慮、コードのデプロイメント全体に対する可視性の確保、アプリケーション監視機能の組込み、といった新機能をリリースしています。具体的には、サブグループ、デプロイボード、パフォーマンス監視などの機能です。

GitLabにおける機能バランスは、すべての人々を念頭に置いたソリューションを創造する、ということに尽きます。私たちが行なうことはすべて、ソフトウェア開発を誰にでも簡単で、よりアクセスしやすいものにすると同時に、開発プロセスのすべての段階を合理化するためのものなのです。

数週間前、GitLabで大規模な事故が発生して、長時間のサービス停止やデータ消失が起きました。貴社と影響を受けたユーザは、それをどのようにリカバリしたのでしょう?その時に発表された復旧手順の改善については、現在どの程度進んでいますか?結果的には、どのような教訓があったのでしょう?

サービスの停止直後から、状況を修正するためのプロセスに着手しています。同じような事故が再び起きないよう、GitLab.comのインフラ全体を改善するための努力を現在も積極的に行っています。具体的には、ブログ記事でも述べたような、災害復旧ソリューションの開発や乱用の報告および対応システムの改善に取り組んでいます。GitLabはオープンに開発されていますから、進捗はイシュートラッカで直接確認することが可能です。

私たちは今回の障害から、いくつかの貴重な教訓を学びました。まず、時間やお金、エネルギをインフラストラクチャに投資することが最も重要だ、ということです。次に、問題が発生した時にはコミュニティに対してオープンであることが最善であるということ。透明性は、企業としての私たちの中核をなす価値観のひとつです。直ちにコミュニティに警告を発し、回復プロセスにおいてそれをリアルタイムに更新することは、私たちにとって不可欠なことでした。そして最後に、私たちはいつでも、私たちが強力で支持的なコミュニティの一部であることを理解していましたが、ユーザやパートナ、さらには競合他社からの何百という励ましのメッセージは、それをさらに明確なものにしてくれました。

今回の障害によって、約5,000件のプロジェクト、5,000のコメント、700件のユーザアカウントに関するメタデータが消失しました。ユーザのコードやファイルなどは影響を受けていません。私たちは影響を受けたユーザと協力して、できる限りのアカウントやデータへのアクセスを再開しています。GitLab Enterpriseのユーザ、GitHostのユーザ、あるいはGitLab CEを自身で運営しているユーザに対しては、データ消失や停止の影響はありませんでした。

GitLabの今後数ヶ月のロードマップには、どのようなものがありますか?

今回のGitLab 9.0のリリースは、公開リポジトリとして最もポピュラーなSaaSソリューションになる道を歩むために、今後数ヶ月内にリリースされる予定の新機能の第一歩に過ぎません。4月22日にはGitLab 9.1がリリースされる予定です。停止時間ゼロのマイグレーションやイシューボードのアップデートなどの新機能に加えて、新なたサービスデスク機能が含まれています。このリリースは65回目の月次製品リリースになります。この業界に類を見ない速さのリリースに関して、私たちは誇りに思っています。

 
 

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