Googleのエンジニアリング担当VP、Dave Burke氏が、携帯電話に最適化されたTensorflowの新バージョンを発表した。
この新ライブラリはTensorflow Liteと呼ばれ、開発者がユーザーの携帯電話上で、AIアプリケーションをリアルタイムに実行することを可能にする。Burke氏によると、このライブラリは最先端技術を可能にしながら、高速で小さくなるように設計されているという。これは今年の後半、オープンソースのTensorflowプロジェクトの一部としてリリースされる予定だ。
今のところ、ほとんどのAI処理はSaaSプロバイダのサーバー上で行われている。このライブラリが使えるようになることで、GoogleはこうしたAI処理の一部をユーザーの携帯電話にオフロードすることを望んでいる。これによって、処理パワーとデータの両方を削減できるようになるだろう。また、ユーザーのデータをプライベートに保つことを保証し、インターネット接続の必要もなくなるだろう。
Tensorflow Liteは携帯電話で使える2つ目のディープラーニングツールだ。すでに2016年11月に、Facebookが独自のフレームワーク、Caffe2Goを発表している。このフレームワークは、リアルタイムのスタイル変換(絵画ライクなフィルターを携帯電話に追加する)に使われている。
またBurke氏は、彼と彼のチームがニューラルネットワーク用に設計されたプロセッサとやりとりする機能を追加していることも発表した。ニューラルネットワークには、GPUやGoogle自身のTensor Processing Unit (TPU)で最適化できる計算がたくさん使われている。すでに携帯電話では、Google Translateアプリなどでニューラルネットワークが使われているが、ネットワークのトレーニングはまだ負荷が高すぎる。
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