WPFとWinFormsを改善した .NET Framework 4.7

Microsoftが.NET Framework 4.7をリリースした。いくつかの変更がバンドルされて、それらの合計より大きなリリースを形成している。Windows 10 Creators Updateに合わせてローンチされた今回のリリースでは、UIの強化、暗号化サポートの改善、全般的なパフォーマンスの向上に重点が置かれている。今回の発表でMicrosoftのRich Lander氏は、.NET Framework 4.7が.NET Standard 1.6をサポートしたと共に、今年後半には.NET Standard 2.0をサポートする予定であることを述べている。

高DPIサポートがWindows Formsアプリケーションに適用されるようになった。Windows 10 Creators Update上で実行される場合に限って有効となる。新たなHDPI機能を利用するには、サポートを有効にするための設定をアプリケーションで行なう必要がある。HDPIを有効にすると、HDPI画面のレイアウト改善や高解像度アイコンの使用、DPIの異なるモニタ間を移動するときの適切な動作といったメリットを、アプリケーションが享受できるようになる。Lander氏は、将来的にWindows Formsのどの領域を改善の対象とすべきかについて,GitHubを通じたフィードバックを求めている。

HPDI改善の恩恵を受けるコントロールには、カレンダーコントロール、ListBoxコントロール、例外メッセージボックスなどがある。Windows Formsアプリケーションは、新設された３つのイベントによって、起動後のDPI変更への対応が可能になった。

• Control.OnDpiChangedBeforeParent
• Control.OnDpiChangedAfterParent
• Form.DPIChanged

MicrosoftのMerrie McGaw氏によると、.NET Framework 4.7を対象としたアプリケーションは、最終的にWindows 7から10までのWindows 上で実行できるようになる。ただし、拡張されたWinForms HDPIを使用するアプリケーションが新しいHDPIサポートの恩恵を受けるためには、Windows 10 Creators Updateでの実行が必要だ。

WPFアプリケーションには、WPFタッチおよびスタイラスのサポートが追加される。HDPIの変更と同じく、Windows Ink Services Platform(WISP)の既定値に対して、このサポートを明示的に有効にする必要がある。また、4.7上で動作するClickOnceアプリケーションには、アプリケーションストアの破損に関する自動検出機能が有効になる。データ破損が発生した場合には、ClickOnceアプリケーション自身がこれを修正するために、開発者や管理者に気付かれることなく再インストールを試行する。

.NET Framework 4.7サポートは近日中の提供が予定されている。ただしMicrosoftは、これらリリースのタイミングについての情報をまだ提供していない。サポート対象のオペレーティングシステムには、Windows 7 SP1、Windows 8.1、およびWindows Server 2008 R2 SP1 - Windows Server 2016が含まれる。

詳細については、すべての変更とバグフィックスを網羅したリリースノートが提供されている。