Googleはブログ記事で、Google IoT Core platformのプライベートベータを発表した。顧客はこのIoTプラットフォームで、デバイスをGCP(Google Cloud Platform)に安全に接続し、他のデータ解析サービスと統合することができる。顧客はそのデータを使って、組織にアクション可能なインサイトを提供し、ビジネス成果を改善することができる。
Googleがターゲットにしているユースケースには、以下のようなものが含まれる。
- 電力事業者は、顧客の電力消費をリアルタイムで監視、解析、予測できます。
- 交通・物流企業は、車両/船舶/航空機を適切な時に適切な場所に、積極的に配置できます。
- 石油・ガス・製造業は、設備メンテナンスをインテリジェントに計画し、生産を最大化し、ダウンタイムを最小化できます。
こうした業界では、固定運用費とレガシーな複雑さの扱いが課題になっている。環境によっては、設備を数年もしくは何十年も使うことになる。こうした従来型のツールを使っていると、クラウドを利用や高度なアナリティクスへの投資を活用できない。
ICS(産業用制御システム)のセキュリティ管理もまた、その技術要件のために課題になっている。多くのICSソリューションは、Confickerや最近のWannaCryマルウェアを含む古いセキュリティ脆弱性によって侵害されている。こうした環境が脆弱であり続ける理由には、デバイスの管理が複雑になることが挙げられる。Googleが解決しようとしているのは、この領域だ。彼らは世界中に分散したデバイスのために、エンドツーエンドの管理とセキュリティモデルを提供する。
Googleが取り組んでいるもう1つの領域は、顧客のHistorianに存在する分断されたデータだ。産業機器は大量のデータを生成するが、コストと管理の複雑さのために、顧客は保持期間の短い複数のデータサイロを用いているかもしれない。Googleの弾力性のある企業向けデータウェアハウスであるBigQueryを使うと、顧客は大規模データセットの管理責務をGoogleにゆだねることができる。
顧客はGoogle Cloud Platformの他のサービスを利用することもできる。たとえば、データストリーム処理にGoogle Cloud Dataflow、メッセージングにCloud Pub/Sub、予測メンテナンスモデリングにGoogle Cloud Machine Learningが使える。収集した全データを可視化するために、Looker、Qlik、Tableau、Zoomdataなどのパートナーソリューションを使うこともできる。
Google Cloud IoT Coreへの接続は、業界標準のプロトコルであるMQTTを介して行われる。接続を容易にするため、GoogleはARM、Intel、Marvel、Sierra Wirelessといったデバイスパートナーと提携している。
Google Cloud IoT CoreのアーリーアダプターはNOA Technologiesだ。彼らはモビリティアセットを管理するためのクラウドベースのプラットフォームを提供している。エンジニアリングVPのJose L. Ugia氏は、Googleのプラットフォームをどのように使っているか、次のように説明している。
Google Cloud IoT Coreを使うことで、膨大な数の自転車をクラウドに接続できるようになり、スマートな移動手段管理ツールを素早く構築することができました。このツールはオペレーターに、自転車の利用状況、分布、パフォーマンスメトリクスのリアルタイムビューを提供します。また、顧客の需要も予測します。
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