1年を超える開発期間を経て、Open API InstituteはOpenAPI Specification (OAS) v3.0.0 finalを2017年7月中旬にリリースすると発表した。6月30日に終了するオープンコメント期間の後、リリースされることになる。
APIコミュニティはとても熱心に機能を求めてきた開発者と業界リーダーとともに、今回のリリースを見守ってきた。もっとも注目を集めているOAS 3.0の主要機能には、以下が含まれる。
- コンポーネント
- 複数ホストのサポート
- 新しいContentプロパティによるコンテンツネゴシエーション
- コールバックとWebhookのサポート
- Linksオブジェクトによるハイパーメディアのヒント
- JSON SchemaのanyOf、allOf、not機能のサポート改善
仕様が3.0になるのに合わせて、オープンソースコミュニティとベンダーらは、自らのOASツールの前方互換性に取り組んでいる。OASがベースにしているSwagger記述言語の作者であるTony Tam氏は、昨年のInfoQとのインタビューで、破壊的な変更について警告していた。
多くのツールベンダーは、ツールをアップデートすることで2.0と3.0の両方の仕様をサポートできるでしょうが、2.0のツールは3.0仕様ではほとんど動かなくなるでしょう。私たちはツールの実装にすぐれた前方互換性があることを期待し、推奨します。3.0仕様に対する今後のアップデートは、3.xのバージョン番号になるよう非破壊的なものにします。
仕様の技術的方向性に責任をもつ6名からなるグループ、OAS Technical Developer Community (TDC)のメンバーであるDarrel Miller氏は、TDCが今回のリリース準備で大きな課題になったのは時間と優先順位だとInfoQに語った。「幸運なことに、我々には、仕様がどうなるべきかを助けるために何時間もボランティアをしてくれる熱狂的なコミュニティがあります」と彼は言う。「時間とキャパシティは限られており、機能の追加とシンプルさの維持とのバランスをとっていく必要があります。私たちはみな、仕様が複雑になりすぎるとどうなるのかを見てきました。しかし、その複雑さには必ず、その1つの機能を必要としているユーザーがいます。ノーと言うことで難なく受け入れてくれることはめったにありませんが、それは新しい機能にイエスと言うのと同じくらい重要なことです。」
次のバージョンの具体的な計画はまだないが、将来のリリースに何が必要か、TDCは積極的に議論している。3.0における主要な変更について説明した5月のGlueconのワークショップで、Miller氏は実験的にサポートされた機能(再利用可能なグループ、代替スキーマ、オペレーションバージョニング、動的enum)について紹介した。Miller氏によると、オブジェクトのグループの再利用は、将来のアップデートにおける優先度が高い。そして、ユーザーが優れた一貫性のあるツール体験をするために容易でない課題だが、代替スキーマも要望の多いリクエストだ。次のリリースについて、彼は「次のバージョンがどんなものであれ、その待ち時間は、V3になるのにかかった時間よりもずっと短くなると思います」と言う。
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