Googleは、同社のCloud Prediction APIを来年内に廃止すると発表した。開発者に対しては、Google Cloud Platformからのデータ解析、機械学習トレーニング、予測が可能な同社のCloud Machine Learning Engineへの移行を推奨する。2018年5月1日以降、GoogleによるCloud Prediction APIに関する技術的サポート、追加リリース、APIアクセス提供は行われなくなる。
Cloud Prediction APIは、RESTful APIと機械学習ツールを提供することにより、推奨システムやスパム検出、購入予測といったアプリケーションを開発するための機械学習モデル構築を支援するサービスだ。その代替となるCloud Machine Learning Engineは、今年3月にGoogleが一般公開したもので、同様なユースケースの大半のサポートに加えて、TensorFlow機械学習ライブラリを出自とする拡張機能を備えている。
Cloud Machine Learning Engineに移行するには、Prediction API用に構築済みのモデルを、手作業でTensorFlowで再度作成する必要がある。廃止と移行のステップに関する詳しい情報は、EOL(End-of-Life) FAQで確認することができる。また、移行アプローチを検討中の開発者は、Google Cloud Supportにコンタクトを取るとよいだろう。
過去の数多くのサービス廃止と同様、今回の発表には、Googleのサービス製品の信頼性と寿命に関するコミュニティの意思が反映されている。Google Cloud上で開発を行なうSolomon Boulos氏は、このトピックに関する先日のYCombinatorスレッドに参加して、同APIが“長期間メンテナンスされていない”点と、“利用者が非常に少ない”点を指摘した。事実として、Prediction APIのWebサイトのアナウンスメントフォーラムには3年以上アクティビティがなく、2014年末にPrediction APIを使用したSmart Autofill Add-onがGoogle Sheetsに追加された以外には、これといった製品開発も行われていない。
Googleは2014年にPrediction APIから廃止に関するポリシを削除したが、他のサービスのポリシは1年間という猶予期間で一貫している。また、競合企業であるAmazonやAzureにおいても、同じ期間のポリシが使用されている。Boulos氏は、開発者が移行できるように、Cloud Machine Learning Engineのような代替サービスがリリースされるまで、Google CloudチームがPrediction APIの廃止を待っていた点を指摘している。GoogleはCloud Machine Learning Engineのユースケースと例をGithubで公開するとともに、開発者の着手を支援するための資料を提供している。
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