Microsoftが待望の.NET Core 2 SDKを公式にリリースした。 .NET Core 1の登場は大きな可能性を秘めていたが、多くのデベロッパーはサポートされている.NET APIが足らないと感じていた。それは今回の.NET Coreリリースで一変し、.NET Standard 2.0が実装されている。それにより、.NET Core 2は32,000のAPIをサポートするようになる。
.NET Core 2の改善はAPI追加だけではない。6つの新しいプラットフォーム(Fedora 25 & 26、Debian 9、macOS High Sierra、Ubuntu 17.04、Linux Mint 18、SUSE Enterprise Linux 12 (SP2+))のサポートも追加された。
1.Xからアップグレードする.NET Coreデベロッパーは、dotnet restore
コマンド関係の変更に注意しよう。.NET Core 2以降、このコマンドは必要に応じて暗黙的なものになる。これまでと同じように使い続けても構わないが、.NET Coreは、run
、build
、publish
などのコマンドで必要に応じて呼び出してくれる。restoreが必要な場合、これまではエラーメッセージを出して止まるだけだったのを改善するためだ。
今回のリリースで重要なのは、.NET Standardから.NET Frameworkライブラリを参照できることだ。レガシーコードを管理しているデベロッパーにとって、これは役に立つはずだ。.NET Frameworkから.NET Standard互換コードへの移行を簡単にしてくれる。例えば、.NET Framework 1.0から4.6.1をターゲットにしているライブラリを.NET Standard互換コードから参照することが可能になる。おかげで、デベロッパーは自分のペースで.NET Standard 2へコードを移行できるようになる。時間や予算の都合上、完全に書き直せない場合、既存のコードをそのまま使うことができる。
Visual Basicデベロッパーは、.NET Core 2でVisual Basicがサポートされることに気づくだろう。ただし、今回のリリースでは、クラスライブラリとコンソールベースのアプリケーションに限定されている。現在のところ、ASP.NET Core 2サポートはF#とC#に限られる。
Visual Studio 2017 version 15.3は暗にNET Core 2をサポートし、複数の.NET Core SDKの並存をサポートしている。おかげで、開発はシンプルになる。既存の環境を危険にさらすことなく、今後もベータSDKと新リリースの両方を調べやすいだろう。.NET Core 2のリリースとVS2017へのアップデートのもう一つのメリットは、.NET Core SDKの将来の変更に対して、VS2017を同時にアップデートする必要がないことだ。つまり、Visual Studioをアップグレードする必要なしに、.NET Core SDKのバージョンを上げられるということだ。
また、.NET Core 2を使うのに、必ずしもVS2017は必要ないことも重要だ。フリーで使えるVisual Studio Code、Visual Studio for Mac、コマンドラインがユースケースをサポートしてくれるためだ。もちろん、JetBrainsのRider .NET IDEなど、非Microsoftのツールも動くだろう。現在、.NET Core 2 SDKは主要な全てのプラットフォーム(macOS、Linux、Windows)用にダウンロードできる。
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