Microsoftは、同社のJavaScriptスーパーセット言語の最新バージョンとなる、TypeScript 2.4をリリースした。数こそ多くはないが、言語の新鮮さを保ち、開発者の心を掴む機能を新たに加えている。
Microsoftが今回紹介している最大の機能が、動的なimport()
式のサポートだ。この機能はTC39プロセス(ECMAScript 2018で期待されている)のステージ3に相当するもので、“他モジュールやライブラリを条件付きで遅延インポートすることにより、アプリケーションの効率化とリソースの重視”を実現するものだ。従来は、モジュールがライブラリをインポートする場合、ファイルの先頭で行なう必要があった。ただし注意すべき点は、ターゲットがes2015
モジュールの場合は機能しないことだ。Webpack 2+コード分割(一例として)でこの機能を使用するには、esnext
モジュールを対象にする必要がある。
型チェックのいくつかを厳密化する過程において、いくつか非互換的な変更が生じている。例えば、弱い型の検出が改善されたことにより、少なくともひとつのプロパティをマッチングせずにプロパティを弱い型に割り当てようとすると、2.4では失敗するようになる。
コミュニティの反応の中では、文字列Enum型に対する評価の声が目立っている。これまでは、文字ベースのEnumを使うために考案されたさまざまな“ハック”が公開されてきた。最も一般的な方法のひとつが、共有型を利用するものだ。
type Sports = "Football" | "Baseball";
新設された文字列で初期化する列挙を使用すれば、上の例をより自然に表現できる。
enum Sports {
Football = "FOOTBALL",
Baseball = "BASEBALL"
}
Visual Studio 2017ユーザは最新のインストーラが入手可能である。Visual Studio Codeなど他のエディタについては、近日中にアップデートが提供される予定だ。リリースに関する詳細は、Microsoftのブログ記事で読むことができる。
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