InfoQはオラクルのJavaの新しいリリースモデルとスケジュールの発表をレポートした。発表はJavaのエコシステムに参加するほとんどの人に広く歓迎された。しかし今後のリリースに対するJavaの標準化プロセスとJavaコミュニティプロセス(JCP)の役割については疑問が残ったままである。
Java 9のリリース以降、提案された新しいリリースの頻度がJCPにどのように作用するかという点でオラクルの立場はまだ明らかではない。JCPはオラクルが今後のリリースとして提案した6ヶ月のサイクルより長いタイムスケールでおおむね機能してきた。このことで各機能のリリースにJSRがあるのかという疑問が湧く。
もしこれが意図したものであるなら、オラクルは機能リリース間の短い時間枠でJCPプロセスを統合する方法を説明する必要がある。今まで、本当に少数のJSRが短い時間枠で扱われてきた。そのどれもがプラットフォームのJSR(Java SEやEEの新バージョンを定義するのようなもの)ではなかった。
オラクルのスポークスマンはこう言っている。
オラクルは増加するリリース頻度をサポートするという要件においてJCPとともに連携してきました。計画への全体的なサポートがあります。詳細は今後数週間で成立するでしょう。
Simon Ritter氏、Azul SystemsのJCPのExecutive Committeeメンバーだが、こう述べている。
過去JSRは6ヶ月より長い期間で扱われてきたというのは真実です。プラットフォームがよりゆっくりと開発されていたのが主な理由です。そのためより早いペースで動く必要がなかったのです。
理論上は、Java SEのJSRがこの時間枠で完了することに問題はありません。けれどもおそらくJCPプロセスを前に進めるためいくつか変更があるでしょう。
Ritter氏はより早いリリースサイクルが他のプログラミングプラットフォームと競うために不可欠であるというオラクルの主張にもコメントしている。
プラットフォームを進化させる任務がつねに直面している問題は、どのように2つの直行するユーザのグループを満足させるかです。Javaは多くの企業のシステムやミッションクリティカルなシステムを推進させてきました。こうしたシステムをデプロイし維持する人にとって安定性と互換性はもっとも重要な要素でした。
しかし、新しいアプリケーションをデプロイすることが継続的に加速していくような世界では、開発者は新しい言語やAPIの機能により早いペースでアクセスしたいものです。6ヶ月の機能リリースサイクルと3年の長期間サポートリリースへ移行するというオラクルの決断は、両方の世界に最もよいものと思います。
直近のJCP EC会議の議事録はオラクルが可能な限り現実的なJava SE 10のJSR(現在Java 18.3として知られる)を理想的には9月中に提出する計画であることを報告している。リリース日は12月に決めるだろう。これは今は自発的にJCPプロセスにかかわることを暗示している。
しかし、JCPプロセスをSEのリリースに調整するには既知の問題がいくつかある。とくに、現行のプロセスはサードパーティがJava仕様のまだリリースされていない、または発展中のバージョンを対象としたベータビルドを制作することに関連する問題がある。
オラクルはこれらの挑戦が進行中のJCPとの議論の一部となるであろうことを認めており、JCPのOpenJDKワーキンググループと関連する団体による関与に言及している。
Martijn Verburg氏は、ロンドンJavaコミュニティ(LJC)のリーダでありLJCのJCP ECの席を持っている人間であるが、こうコメントしている。
JCP Executive Committeeとオラクル、OpenJDK運営本体はより早いリリースを促進するために標準化プロセスを効率化する作業を懸命にしています。
Mike Milinkovich氏は、Eclipseファウンデーションのエグゼクティブディレクターであるが、彼もまたJCP ECのメンバーであり、ブログ投稿でこう述べている。
Javaはその発明故についてまわってきた使用制限がある明示的な、暗黙的な領域から最終的に開放されるでしょう。開発者はJavaをあらゆるデバイスで自由に使えるようになります。あらゆるライセンスや他の許可を必要とせずにです。
大いに遅れたJava 9のリリースまであと1週間と少し、業界は提案された新しいリリースサイクルが完全に実施されたとき期待に沿うかどうかを興味を持って見ているだろう。
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