オラクルはJavaのリリースを6ヶ月ごととする移行計画を発表した。
ニュースは初めJCPのExecutive Committeeによる8月の会議議事録でほのめかされていた。オラクルのスポークスマン、Donald Smith氏が今朝彼のブログへの投稿で認めた。新しいリリーススケジュールはJava 9のリリース後すぐに始まる計画であり、Javaの次のリリースは2018年初めとなる。
オラクルは新しいリズムでJavaをビルドしリリースする方法について大きな変更を発表した。オラクルはOpenJDKバイナリを開発者が前に進めるための最上位のJDKとして製造し供給するつもりである。これはオラクルによって製造され最上位のリリース成果物としてプロプライエタリにライセンスされていたOracle JDKを置き換えるだろう。
OpenJDKバイナリは"クラスパス例外付き"GPLv2でライセンスされるだろう。そして再配布やバイナリパッチ、Oracle JDKライセンスが歴史的に妨げてきたその他制約から自由になるだろう。Oracle JDK製品はまだ存在するが、オラクルのサポート契約として長期間サポートリリースの形式においてとなるだろう。
Mark Reinhold氏は、Javaのチーフアーキテクトであるが、より早いリリースへの主な動機として現行の列車ベースのリリースモデル下でのJava 8と9の遅れを引用している。
Javaの現行のリリースサイクルは2年ごとを計画していたが、Java 9はJava Platform Modules System (Jigsaw)が原因でかなりの遅れ、現時点で約18ヶ月遅れている。Java 8もセキュリティ問題に取り組むために約8ヶ月遅れた。Java 9は現在9月21日の一般提供を計画している。
新リリーススケジュール下ではオラクルはフィーチャーリリースとして知られる厳格な時間ベースのリリースを提案している。リリースは毎年3月と9月になり、バージョン番号の形式は18.3、18.9、19.3といったものになるだろう。現行の列車ベースモデルと異なり、リリースは大きな機能に配慮して遅れることはないだろう。新しい機能は機能が完了するまでリリースのソース管理リポジトリにマージされない。もしリリースから外れれば、次かそれ以降のリリースにターゲットを変更しなければならない。
このモデルの意図は根本機能(Java 8でのラムダやJava 9でのモジュールなど)が開発者にとって有益な他の機能を含んでいるリリースを遅らせてしまうという問題を防ぐことだ。
フィーチャーリリースに加えて、オラクルは四半期ごと、1月、4月、7月、10月の更新リリースの出荷を続ける。これが意味することは、各フィーチャーリリースは次のフィーチャーリリースの前に2つの更新を受け入れるということだ。更新リリースの内容も厳格に制限され、直近で追加された機能のセキュリティ問題やリグレッション、バグの修正を含むことのみ許可される。
Reinhold氏は全体像をこう説明している。
「より早いイノベーションを好む開発者、できるだけ早く本番環境に新機能を投資できるような人たちは、直近のフィーチャーリリースやその更新リリースを使えますし、次のバージョンが出荷されればそれに移行できます。」
必ずしも早いペースでのアップグレードを望んでいない、または必要がない企業や組織のために、オラクルは3年ごとの長期間サポート(LTS)リリースを提案している。このリリースは最低でも3年間サポートされ、市場の反応に応じてより長くなるかもしれない。
オラクルは新モデルでは最初のLTSリリースを"18.9"とし、最終決定は他のOpenJDKコントリビュータと議論し、出されたフィードバックを評価したあととすることを提案している。Java 8も特別なLTSリリースとしてみなされ、2025年までサポートされる。
Smith氏はこうコメントしている。
「OpenJDKバイナリは開発者にとってJava SEプラットフォームの最新のイノベーションを入手する主要なチャンネルとなっています。Oracle JDKはオラクルの営業上の顧客とサポート顧客のために提供する長期間サポートのLTSとして残るでしょう。」
オラクル外では、Martijn Verburg氏、ロンドンJavaコミュニティのリーダが、提案された新スケジュールについてこうコメントしている。
「オラクルからのより早くより頻繁にJavaをリリースする意図はJavaエコシステムにとってはよいことでしかありません。Jigsawとインキュベーションモジュールを持つJava 9は、これが現実となるためのよいプラットフォームとなります。
オラクルは自らの手でかたいリリースエンジニアリングの挑戦をしましたが、それを起こす多くの組織的な知見はオラクルとより広いOpenJDKコミュニティにあります。途中いくつかの衝突はあると予想していますが、定期的なリズムを楽しみに待っています。他のJava実装者も早く頻繁にリリースできるよう作業中に仕様のドラフトにアクセスできるようになりますから。」
オラクルはJavaの新規リリースのペースに関して頻繁に批判を受けてきた。大企業にも多くのオープンソースプラットフォームや言語の基礎としても使われ、またより早いリリースサイクルで使われるようなプラットフォームはやりたくないポジションである。今日の発表は明らかに期待する人と折り合いをつける試みである。残るはJava開発者とオラクルの顧客が提案された変更にどのように反応するかを見ることだ。
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